最新記事

米中関係

トランプ政権、魚雷やミサイルなど台湾へ武器売却 中国の反発必至

2017年6月30日(金)10時11分

6月29日、トランプ米政権は、総額14億2000万ドルの台湾向け武器売却計画を議会に通知した。台湾への武器売却は同政権で初めてで、中国の反発は必至とみられる。2016年3月撮影(2017年 ロイター/Kamil Krzaczynski)

トランプ米政権は29日、総額14億2000万ドルの台湾向け武器売却計画を議会に通知した。台湾への武器売却は同政権で初めてで、中国の反発は必至とみられる。

国務省によると売却計画には早期警戒レーダーへの技術支援や高速対レーダーミサイル、魚雷、ミサイル部品などが含まれる。同省のナウアート報道官は「台湾が十分な自衛能力を維持するための支援」と説明し、米国の「1つの中国」政策に変更はないとした。

オバマ前米政権は2015年12月にフリゲート艦2隻や対戦車ミサイルなどを含む総額18億3000万ドルの台湾向け武器売却を発表し、中国の反発を買ったことがある。

国務省の当局者は、今回の売却計画は「長年使われてきた現行のシステムをアナログからデジタルに移行させ、自衛能力の改修・更新を行う」狙いがあるとした。

米当局者らは3月に台湾への大規模武器売却を検討していると明かしたが、北朝鮮の核・ミサイル開発抑制に向けトランプ大統領が中国に対する圧力を強めるなか、協議が立ち消えになっていた。

中国はこの日、米海軍の艦船が台湾に寄港することを認めるよう求める国防権限法案が米上院軍事委員会で可決されたことに対し猛反発。外務省の報道官は、同法案は米中関係の原則を違反していると批判し、米中の協力的関係を一段と損なわないために、台湾との共同軍事演習や台湾への武器売却を停止するよう求めた。

[ワシントン 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国GDP、第2四半期は5.2%増で予想上回る 米

ビジネス

午前の日経平均は小反発、国内金利上昇で上値重い 金

ワールド

7─9月の石油需要「非常に強い」=OPEC事務局長

ビジネス

中国6月鉱工業生産、+6.8%で予想上回る 小売売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別「年収ランキング」を発表
  • 4
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 9
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 10
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中