最新記事

自衛隊

海自の護衛艦いずも 南シナ海でレーダーに中国軍とおぼしき機影

2017年6月24日(土)11時16分


南シナ海で哨戒活動

いずもが日本を出港したのは5月初め。同月中旬にシンガポールで国際観閲式に参加後、フィリピンへ寄港してドゥテルテ大統領を艦上に招待した。さらに米空母ロナルド・レーガンとの共同訓練をこなし、シンガポールへ戻って6月19日から23日まで報道陣と東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国の士官を乗せた。

海と空がまだ、暗闇に包まれている20日午前7時。遠くの空がときおり稲光で照らされる中、いずもの甲板からSH-60ヘリコプター3機が飛び立った。ヘリコプターの任務は、船の進路や周囲に異常がないかどうかを確認すること。いずものヘリコプターは1日に何度もこうした発着艦を繰り返す。

米軍は自衛隊が南シナ海で哨戒活動を行うことに期待を寄せるが、日本は東シナ海にも対応しなくてはならないとして、遠く南シナ海で定期的に哨戒する計画はないとしてきた。

いずもの甲斐義博艦長も「パイロットの技量維持などの訓練もある」と述べ、全てが哨戒のための飛行ではないと説明する。しかし、長期航海中のいずもが何度もこの海域でヘリコプターを飛ばすことは、結果としてその役割を果たすことにつながる。

同乗したASEAN士官

今回のいずもの長期航海には、護衛艦「さざなみ」が同行した。2隻は波が穏やかな南シナ海上を、ときに近づき、ときに離れ、陣形を組み替えながら航行している。大型タンクを備えるいずもから、ホースを伸ばしてさざなみに給油をすることもある。

洋上を航行しながら給油をするには、2隻が速度と針路を合わせて並走しなくてはならない。両艦の間隔はわずか40メートル。方位が1度でもずれれば衝突の恐れがある。21日午後、燃料が少なくなったさざなみに対し、いずもは150キロリットル、ドラム缶750本分の軽油を2時間かけて給油した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

南ア失業率、第2四半期は33.2% 2四半期連続上

ビジネス

米中小企業景況感、7月は上昇 不透明感は強まる

ワールド

メキシコ、麻薬カルテル構成員をさらに米国へ移送 ト

ビジネス

日経平均が連日の史上最高値、CPI受け9月米利下げ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が教える「長女症候群」からの抜け出し方
  • 2
    【クイズ】アメリカで最も「盗まれた車種」が判明...気になる1位は?
  • 3
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 4
    産油国イラクで、農家が太陽光発電パネルを続々導入…
  • 5
    【徹底解説】エプスタイン事件とは何なのか?...トラ…
  • 6
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 7
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 8
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 9
    トランプ「首都に州兵を投入する!」...ワシントンD.…
  • 10
    「古い火力発電所をデータセンターに転換」構想がWin…
  • 1
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 2
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの母子に遭遇したハイカーが見せた「完璧な対応」映像にネット騒然
  • 3
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大ベビー」の姿にSNS震撼「ほぼ幼児では?」
  • 4
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 5
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    イラッとすることを言われたとき、「本当に頭のいい…
  • 9
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段…
  • 10
    「触ったらどうなるか...」列車をストップさせ、乗客…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 10
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中