最新記事

テロ対策

ロンドンテロ容疑者2人の身元特定、うち1人は過去に捜査対象

2017年6月6日(火)08時20分

 6月5日、ロンドン襲撃事件で、警察は容疑者3人のうち2人の身元を特定した。写真はロンドン橋に貼られた行方不明者のポスターと通行人。同日撮影(2017年 ロイター/Peter Nicholls)

英ロンドン中心部で3日夜に発生した襲撃事件で、同国警察は5日、射殺した容疑者3人のうち2人の身元を特定した。うち1人は過去に捜査対象だったという。

地元警察によると、2人はパキスタン出身の英国市民、クラム・シャザド・バット(27)と、モロッコ・リビア系とされるラシッド・レドゥアン(30)の両容疑者。ともにロンドン東部の同じ地区に住んでいた。

クラム・バット容疑者は、警察や英情報局保安部(MI5)に知られていたという。ただ、警察は声明で「今回の襲撃が計画されていることを示す情報が無かった」とした。

警察は、3人目の容疑者について身元特定を急いでいる。

英国では3月にロンドンの国会議事堂付近で起きた襲撃事件に続き、2週間前にはマンチェスターで起きた自爆攻撃で多数の死傷者が出たばかり。

総選挙が8日に控える中、相次ぐ事件を受けて、メイ首相が過去に実施した警官削減を批判する声が強まっている。メイ首相は内相だった2010─2016年に警官を約2万人削減した。

カーン・ロンドン市長は「過去7年でロンドン市の予算が6億ポンド削減され、市は警察署の閉鎖と建物の売却を余儀なくされ、警官数千人を失ったという事実がある」と語った。

警察は、攻撃を準備している、あるいは攻撃を積極的に支援しているとみられる容疑者の警戒にリソースを絞る必要があったと説明している。今回の襲撃の実行犯だったバット容疑者は、警察が最後に捜査した際には最も警戒が必要なカテゴリーに分類されなかったという。

メイ首相は、警官削減に関する記者からの度重なる質問に答えていないものの、テロ対策予算は保全され、警察は必要な捜査力を持っていたと述べた。

野党・労働党のコービン党首は、警官を削減したメイ氏を批判し、首相辞任を求める声に賛同した。

[ロンドン 5日 ロイタ]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者

ワールド

米財務長官、エネ関連で「一連の発表」 原油供給の不
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 5
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 10
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中