最新記事

中東

イラン保守強硬派、抵抗継続へ 穏健ロウハニ大統領と対立激化か

2017年5月23日(火)17時10分

5月19日、イラン大統領選は、穏健派で現職のロウハニ師が再選を決めたが、保守強硬派は敗北の借りを返そうとロウハニ師の政策に抵抗し続けるとみられ、両者の対立が激化しそうだ。写真は、ロウハニ師のポスターを掲げる支持者。テヘランで20日撮影。提供写真(2017年 ロイター/TIMA via REUTERS)

19日のイラン大統領選は、穏健派で現職のロウハニ師が再選を決めた。しかし保守強硬派は敗北の借りを返そうとロウハニ師の政策に抵抗し続けるとみられ、両者の対立が激化しそうだ。

ロウハニ氏は経済面で若者のチャンスを増やし、国民の自由を広げるといった公約を掲げて勝利。選挙戦では最高指導者ハメネイ師とつながりの深い保守強硬派と公の場で議論を戦わせ、対立候補であるライシ前検事総長に彼らが便宜を図っていると批判した。

イランの治安組織である革命防衛隊(IRGC)が、ロウハニ師から受けた激しい批判を忘れることはないだろう。ロウハニ師は選挙戦で、保守強硬派は「舌を切り取り、口を縫い留める」と攻撃した。

ヘルツリーヤ学術センターの専任講師、Meir Javedanfar氏は「ロウハニ師に対する圧力は2期目になって強まるだろう。革命防衛隊などイランに深く根差した組織がロウハニ師にとってより厄介な問題を生み出す」と予測。「イランの保守強硬派は1979年の革命以来、政治的な敗北を喫するたびに、その恨みを晴らそうとしてきた」という。

革命防衛隊が国内の優位を取り戻すため、イラクやシリアなどに武装した隊員を送り、海外での対立を煽る可能性もある。

Javedanfar氏は「中東湾岸地域における革命防衛隊との政策対立が深刻化し、米国やサウジアラビアとの間でも衝突が深まるのではないかと危惧している」と話した。

ロウハニ師の側近は、同師は政策遂行に不可欠な手立てをまだ失っていないとみている。ロウハニ師は権力階層の上位に位置し、最高指導者ハメネイ師と数十年にわたり行動を共にしてきた。

ロウハニ師に近い当局者は「経済はハメネイ師にとって最優先課題だ。そのためハメネイ師は、西側諸国などとの核合意を慎重ながらも支持したように、ロウハニ師の経済自由化政策に対しても限定的ながら支持を与えざるを得ないだろう」と述べた。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

イラン、米CIAに停戦に向けた対話の用意示唆=報道

ビジネス

ミランFRB理事、年内利下げ継続を主張 「イラン攻

ビジネス

金利据え置きを支持、インフレ見通しはなお強め=米ク

ワールド

イラン作戦必要な限り継続、トランプ氏暗殺計画首謀者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプのイラン攻撃
特集:トランプのイラン攻撃
2026年3月10日号(3/ 3発売)

核開発の断念を迫るトランプ政権が攻撃を開始。イランとアメリカの本格戦争は始まるのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 2
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られる」衝撃映像にネット騒然
  • 3
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    「外国人が増え、犯罪は減った」という現実もあるの…
  • 6
    少子化に悩む韓国で出生率回復...昨年過去最大の伸び…
  • 7
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 8
    核合意寸前、米国がイラン攻撃に踏み切った理由
  • 9
    「死体を運んでる...」Google Earthで表示される「不…
  • 10
    イランへの直接攻撃は世界を変えた...秩序が崩壊する…
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビザの壁、会社都合の解雇、帰国後も続く苦境
  • 3
    BTS復活...でも、韓国エンタメが「苦境」に陥っている
  • 4
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
  • 5
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 6
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 7
    「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医…
  • 8
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 9
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 10
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中