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トランプ大統領、同盟国のISIS機密情報をロシアに提供?

2017年5月16日(火)10時28分

5月15日、トランプ米大統領(写真右)は先週、ホワイトハウスを訪問したロシアのラブロフ外相(左)とキスリャク駐米大使に、過激派組織「イスラム国」に関する機密情報を漏らした。米ワシントン・ポスト紙が複数の米政府高官の話として15日に報じた。トランプ大統領の写真は2016年5月ニューヨークで撮影、ラブロフ外相の写真は2015年11月モスクワで撮影(2017年 ロイター/Maxim Zmeyev/Lucas Jackson)

トランプ米大統領は先週、ホワイトハウスを訪問したロシアのラブロフ外相とキスリャク駐米大使に、過激派組織「イスラム国」に関する機密情報を漏らした。米ワシントン・ポスト紙が複数の米政府高官の話として15日に報じた。

同紙によると、トランプ大統領は、情報共有合意に基づき同盟国から提供された機密情報を開示同意を得ずに提供した。今後、イスラム国掃討を巡り、同盟国との連携に影響が出る可能性がある。

大統領は、ラブロフ外相とキスリャク駐米大使との会合で、予定されていた内容から離れ、機内持ち込みのノートパソコンを使ったイスラム国の攻撃に関する情報の説明を始めたという。

政府高官の1人は、情報はトップシークレット扱いで、一部の諜報機関職員しかアクセスできない安全な場所に管理されていると明らかにした。大統領が情報をロシア側に提供したことを受け、政府高官は直ぐに中央情報局(CIA)と国家安全保障局にこの件を伝えたという。

一方、会談に同席したマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)は「大統領とロシア外相は、航空分野への脅威など、テロ組織による共通の脅威について協議した」と述べ、公表されていない軍事作戦などの情報が提供されたことはないと主張した。

また、ティラーソン米国務長官は、トランプ米大統領とラブロフ外相との会談では、テロ対策での共通の取り組みや脅威など広範囲にわたる問題についての議論があったとの声明を発表した。

[ワシントン 15日 ロイター]


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