最新記事

テロ

ロシア地下鉄爆破テロ、爆弾は砂糖などで作った素人の犯行

2017年4月6日(木)14時30分

4月5日、ロシア第2の都市であるサンクトペテルブルクの地下鉄で起きた爆破事件で、自爆したとみられる容疑者の素人っぽい犯行は半ば失敗し、外部からなんらかの指示はあったものの直接的な支援はなかったとみられる。写真は現場となった地下鉄駅でキャンドルを灯し慰霊する人々。4日撮影(2017年 ロイター/Anton Vaganov)

ロシア第2の都市であるサンクトペテルブルクの地下鉄で起きた爆破事件で、自爆したとみられる容疑者の素人っぽい犯行は半ば失敗し、外部からなんらかの指示はあったものの直接的な支援はなかったとみられる。一般に公開された現場からの証拠を見た5人の治安専門家がロイターに語った。

ロシア捜査当局は4日、容疑者をキルギスタンのオシ生まれのアクバルジョン・ジャリロフと特定。同容疑者は地下鉄の別の駅にもう1つ爆弾を置いたが、爆発する前に発見されたと述べた。

ロシアメディアでその爆弾の写真を見た専門家らは、砂糖などの容易に入手できる材料で作られた技術レベルの低い手製爆弾で、起爆装置も市販品ではない即席のものと指摘。

その上で、容疑者(ら)は、過激派組織「イスラム国」(IS)などの武装集団が使うような爆発物をどのように組み立てるのかといった指示はあったものの、限られた材料で犯行に及んだとみられると語った。

中東で簡易爆発物を扱った経験のある西側の元防衛当局者は、「接触相手や資金、高機能な爆弾を入手する手段を持たない、ほとんど素人の組織」との見方を示した。

また、ロシアの治安当局者は、爆弾はシリアからロシアにもたらされた製法で作られ、こうした爆弾はその茶色い色から「チョコレート」として知られていると説明した。

ロシアメディアは法執行機関の当局者の話として、ジャリロフ容疑者はイスラム過激派組織と関連があった報じているが、ロシア連邦捜査委員会は今のところコメントの求めに応じていない。

[モスクワ 5日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日鉄とUSスチールの「パートナー

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退

ビジネス

米国株式市場=S&P500ほぼ横ばい、月間では23

ワールド

トランプ氏の核施設破壊発言、「レッドライン越え」=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プーチンに、米共和党幹部やMAGA派にも対ロ強硬論が台頭
  • 3
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言ってがっかりした」
  • 4
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 5
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 6
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    ワニにかまれた直後、警官に射殺された男性...現場と…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 3
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多い国はどこ?
  • 4
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 5
    アメリカよりもヨーロッパ...「氷の島」グリーンラン…
  • 6
    デンゼル・ワシントンを激怒させたカメラマンの「非…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    友達と疎遠になったあなたへ...見直したい「大人の友…
  • 9
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中