最新記事

発想術

企画に行き詰まったら「オズボーンのチェックリスト」を

2017年4月5日(水)20時36分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

sturti-iStock.

<企画を考えなければいけないのに、何も思い浮かばない! そんな時に役立つのが「オズボーンのチェックリスト」。アイデア本のロングセラー『考具』より>

「オズボーンのチェックリスト」とは何か? 考えるための道具(=考具)の1つで、アイデアを生み出すための要素の組み合わせ方を網羅したリストだ。全部で9カ条ある。

といっても、何の役に立つのかわからない人もいれば、自分には関係ないと思う人もいるだろう。しかし、これからの時代、覚えておいて損はない。

右肩上がりの経済成長は消え去り、多くの業界が激しい競争にさらされるなか、ビジネスパーソン1人1人の「考える力」がより一層問われるようになってきた。さらに今後は、人工知能(AI)の発展により、単純作業など、多くの仕事が失われるとも言われている。

そこで問われるのが、人間ならではの発想力であり、――加藤昌治氏の言葉を借りれば――「考具(こうぐ)」を持っているかどうかだ。

ビジネス書の世界には、古い本なのに内容が古びない、定番の本がある。いわゆるアイデア本でいえば、加藤氏が2003年に刊行した『考具』(CCCメディアハウス)が有名だ。現在までに37刷、15万部のロングセラーとなっている。

このたび、『考具』のサブテキストとして基礎編『アイデアはどこからやってくるのか』と応用編『チームで考える「アイデア会議」』(いずれも加藤昌治著、CCCメディアハウス)が刊行されたのを機に、『考具』から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第4回は【考具その13】オズボーンのチェックリスト。

※第1回:「今日は赤」と意識するだけ 「カラーバス」で見える世界が変わる
※第2回:お客さんの気持ちを「考える」ではなく「演じて」みたら?
※第3回:アイデアのプロが愛用する考具「マンダラート」とは何か

◇ ◇ ◇

【考具その13】オズボーンのチェックリスト

行き詰まったらこれ。迷路脱出のための処方箋

 今まで登場した考具たちは、あなたの頭の中にある情報を効率的に、知らないうちに引き出すためのものだったり、組み合わせやすくするために目の前で見える形にしたり、という機能を核としていました。組み合わせ方は、あなた次第。どんな組み合わせも自由です。

 しかし、行き詰まるときもあります。詰まってしまうパターンは主に2つ。組み合わせる要素そのものが出てこないとき。そして組み合わせ方が分からなくなってしまうとき。要素出し、については連想ゲームやマンダラート、マインドマップ......いろいろご紹介しました。アイデアのヒント・要素は作り出すのではなく、探す・見つけるという捉え方の方が正解です。

 そして組み合わせ方。調子のいいときは理屈なくアイデアがポンポン出てくるのですが、途中で止まってしまうと、どうにも前に進まないこともあります。

 頭と気持ちをポンポン状態に戻すのに一番効果的な薬は、アイデアが出ること。アイデアがアイデアを呼びます。オズボーンのチェックリストは、そんなときに使ってください。アイデアを生み出すための要素の組み合わせ方、その基本パターンが網羅されています。このチェックリストを抜き書きしたメモカードを1枚、手帳か財布、PDAに忍ばせておくといざというとき、光り輝いて見えます。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

豪CPI、第1四半期は予想以上に上昇 年内利下げの

ワールド

麻生自民副総裁、トランプ氏とNYで会談 中国の課題

ビジネス

米石油・ガス業界のM&A、第1四半期は過去最高の5

ビジネス

米テスラ、メキシコ・インドの工場新設計画が不透明に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中