最新記事

米中関係

米中首脳会談ブリーフィング、米中の思惑

2017年4月3日(月)16時00分
遠藤 誉(東京福祉大学国際交流センター長)

未来50年間の米中関係を習近平国家主席に約束したティラーソン米国務長官 Thomas Peter-REUTERS

3月31日に中国外交部が行った4月6日からの米中首脳会談に関するブリーフィングと米側の意向に大きな違いがある。中国側は不衝突、相互尊重を唱え、米側は北朝鮮問題に関して中国に圧力強化を要請。双方の思惑は?

トランプ大統領と初の首脳会談

3月31日、中国外交部は習近平国家主席の外訪に関してブリーフィングを行なった。中央テレビ局CCTVが報道したので、それに沿って数多くのウェブサイトが動画や文字で一斉に転載したが、ここでは中国共産党機関紙「人民日報」のネットテレビ局「人民電視(テレビ)」に転載されたものに沿って、ご紹介する。

それによれば、習近平国家主席はフィンランド共和国のニーニスト大統領の招聘を受けて4月4日から6日までフィンランドを訪問し、6日から7日にかけてはトランプ大統領の招聘で訪米し、フロリダ州の海辺の別荘で会談するとのこと。

米中首脳会談に関しては、外交部のアメリカ大陸事務を主管する鄭澤光副部長がおおむね以下のように説明した(中国側発言時は「米中」と言わず「中米」と言う。日本が「日米」と言うのと同じことだ。「中米」はともすると「中南米」などの「中米」と誤読しやすいので避けたいが、中国側発言のときは、発言通り「中米」と書くこととする)。

――これは米新政権誕生以来初めての中米首脳会談である。両国首脳は中米関係と、両国が共通の関心を持つ重要な国際問題に関して意見を交換し、相互理解を深め、両国の協力をさらに推進し、今後一定期間(50年間:筆者注*)の発展の方向性を明示することになろう。

トランプ政権誕生後、中米は常に緊密な連携を保ってきた。両国首脳はこれまで二回電話会談をし、中米のそれぞれの核心問題に関して重要な共通認識を持つに至っている。

ちょうど半月ほど前に(アメリカの)ティラーソン国務長官が訪中し、「アメリカは喜んで、『衝突せず、対抗せず、相互を尊重し、ともにウィン-ウィンの精神で対中関係を発展させたい』と望んでいる」と明確に意思表示したばかりだ。

米中関係に関して中国はかねてより「米中の共同の利益は、相違点(不一致)よりもはるかに大きく、協力こそが唯一の正確な選択だ」と何度も強調してきた。

*3月19日、ティラーソン国務長官は人民大会堂で習近平国家主席と会談した際に、「これからの未来50年間にわたる米中関係発展の方向性を確定するために、米中会談に期待している」という、トランプ大統領の言葉を伝達した。CCTVや人民日報など、数多くのメディアが報じた。「一定期間」とは、この「50年間」を指す。

MAGAZINE

特集:5Gの世界

2019-3・26号(3/19発売)

超高速大容量の通信でネット利用が快適に...... どころで済まない5Gの潜在力と激変する未来の姿

人気ランキング

  • 1

    韓国のPM2.5が危機的状況で、比較的空気の綺麗な日本に注目が集まる

  • 2

    日本の重要性を見失った韓国

  • 3

    500年間誰も気づかなかったダビデ像の「目の秘密」【名画の謎を解く】

  • 4

    四川省出身のチャイナラッパーが世界に大躍進

  • 5

    「韓国にまともな民主主義はない」アメリカも抱く誤…

  • 6

    日本よ!「反韓・嫌韓」は時間の無駄だ

  • 7

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【…

  • 8

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 9

    「この国に銃は必要ない」ニュージーランドで銃の自…

  • 10

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 1

    日本の重要性を見失った韓国

  • 2

    モデルの乳がんを、レンブラントは意図せず描いた【名画の謎を解く】

  • 3

    韓国のPM2.5が危機的状況で、比較的空気の綺麗な日本に注目が集まる

  • 4

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 5

    500年間誰も気づかなかったダビデ像の「目の秘密」【…

  • 6

    性転換外科医が患者の性器写真を綿々とインスタに投…

  • 7

    自殺者数、米軍兵力、初任給... 韓国のリアルを10の…

  • 8

    「深圳すごい、日本負けた」の嘘──中国の日本人経営…

  • 9

    許せない! オランウータン母子襲われ子は栄養失調…

  • 10

    北斎は幽霊っぽさを出すために子供の頭蓋骨を使った…

  • 1

    日本の重要性を見失った韓国

  • 2

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 3

    家畜のブタが人食いブタに豹変──ロシア

  • 4

    映画『ボヘミアン・ラプソディ』が語らなかったフレ…

  • 5

    自殺者数、米軍兵力、初任給... 韓国のリアルを10の…

  • 6

    地下5キロメートルで「巨大な生物圏」が発見される

  • 7

    【動画】サメを虐待した金持ち息子に軽すぎる刑

  • 8

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 9

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してし…

  • 10

    日本がタイ版新幹線から手を引き始めた理由

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
NWデジタル編集部ほか求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年3月
  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月