最新記事

英調査

チャリ通は長寿の秘訣。がんや心臓疾患のリスクが4割減

2017年4月28日(金)16時00分
松丸さとみ

olaser-iStock

通勤に自転車を使うと、がんや心臓疾患のリスクを減らせることが、このほど英国医学誌に発表された調査で明らかになった。また、徒歩通勤も健康にいいことが分かったが、自転車ほどの恩恵はないようだ。

自転車通勤者は死亡リスクが4割減

この調査は英国のグラスゴー大学が行ったもので、医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された。

同大学は英国の264,337人を対象に調査を実施。まず参加者に通常の通勤方法を聞き、その後、健康状態を5年にわたり追跡調査した。性別、年齢、既存の疾患、喫煙の有無、食生活などを考慮した上で、健康リスクを算出したという。

結果は、公共交通機関や自動車を利用して通勤している人と比べ、自転車で職場に行っている人の方が、がんを発症させるリスクが45%低く、心臓病のリスクは46%低かった。また死因に関係なく早死にするリスクは、自転車通勤をしている人の方が公共交通機関や車を利用して通勤している人と比べ、41%低かった。

調査を行なった研究者は結果を受けて、自転車で通勤しやすくなるような政策を推進すれば、国民の健康を改善する大きなチャンスとなるかもしれない、とコメントしている。すなわち、自転車専用レーンの設置、都心部での自転車レンタルの推進、自転車購入の補助金制度、公共交通機関における自転車用設備の改善などだ。

習慣化してしまえば意志の強さは不要

一方、歩いて通勤している人の場合も、自転車ほどではないにしろ健康面での恩恵があるようだ。心臓疾患を発症させるリスクは27%低く、心臓疾患で死亡するリスクは36%低かった。ただし、がんでの死亡や、死因にかかわりなく早死するリスクは、公共交通機関や車で通勤している人と変わりなかった。

徒歩の人と比べ自転車通勤の人の方が死亡のリスクが低くなる理由について調査では、自転車で通勤している人の平均移動距離(週あたり約48キロ)の方が、徒歩通勤の人の平均移動距離(週あたり約10キロ)より長いこと、運動強度が徒歩より自転車の方が強いこと、さらには一般的に、自転車で通勤している人の方が歩きの人よりも体力があること、を挙げている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ラガルドECB総裁早期退任報道は「うわさ」、仏中銀

ビジネス

仏自動車部品ヴァレオ、インド販売拡大に向け2億ユー

ビジネス

仏カルフール、年10億ユーロのコスト削減へ 中核市

ビジネス

アングル:「カタリスト待ち」の日本株、成長投資の中
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
特集:ウクライナ戦争4年 苦境のロシア
2026年2月24日号(2/17発売)

帰還兵の暴力、ドローンの攻撃、止まらないインフレ。国民は疲弊しプーチンの足元も揺らぐ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    オートミール中心の食事がメタボ解消の特効薬に
  • 2
    ポーランドが「核武装」に意欲、NATO諸国も米国の核の傘を信用できず
  • 3
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」でソフトウェア株総崩れの中、投資マネーの新潮流は?
  • 4
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 7
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    生き返ったワグネルの「影」、NATO内部に浸透か
  • 10
    極超音速ミサイルが通常戦力化する世界では、グリー…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発される中国のスパイ、今度はギリシャで御用
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    【銘柄】マイクロソフトの株価が暴落...「AI懸念」で…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    「ヒンメルならそうした」...コスプレイヤーが消火活…
  • 8
    なぜ「あと1レップ」が筋肉を壊すのか...「高速パワ…
  • 9
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 10
    「目のやり場に困る...」アカデミー会場を席巻したス…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 8
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中