最新記事

生活習慣

友達の多い貧乏人、友達の少ないお金持ち

2017年3月4日(土)16時44分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 また、社長業よりも、経営者の会に参加することに一生懸命になって会社を傾けた人も知っています。

 こういったタイプの人が、よく口にする言葉があります。「人脈」です。

 仕事をするうえで人脈は大きな武器になるということで、いろいろな会合に出ては名刺を配り人脈を広げたつもりになっています。では、名刺を配った人や飲み会で知り合った人が、仕事で大きな力となるのでしょうか?

 私も、たまたま知り合った人から仕事の相談を受けることがありますが、そのほとんどが通常の価格より安くできないかとの申し出です。新規の取引先ができることはありがたい。でも、相手が期待しているのは、知り合ったから「安く」できないかという期待です。これでは、長いつきあいはなかなか成立しません。

 成功した経営者に話を聞くと、その中にまさに盟友ともいうべき、友達の話が必ず出てきます。その友達がいなくては、成功はなかったというような人です。それは、取引先の相手だったり、ときにはライバル会社の社長だったりしますが、真の友達を必ず得ているものです。このように成功する経営者は、仕事を通して人脈をつくっていきます。

 こうした人物は顔が広いし、人脈も豊富。電話一本で、簡単に大きな仕事を成立させます。「頼みます」の一言で、数千万、億の単位の仕事が成立するのです。そういうと、「やっぱり人脈だなー」と思うかもしれませんが、自分の実力で真の人脈・友情を成立させた人と、人脈を広げることに一生懸命な人とはその質が違います。

 真珠は小さな核から、少しずつ大きくなり固く美しい丸い真珠の珠たまとなります。成功した人の人脈のつくり方は、まさにこのような感じです。信頼という核を中心に固いつながりをつくっていきます。

 一方、名刺配りで人脈を広げる人は、雪のかたまりを転がして雪だるまをつくるようなもの。白く大きな球ですが、熱に弱くもろい。これでは、いざというときに何にも役に立たない人脈づくりです。

 私は、友達をつくるなとか、知り合いを増やすなとか言っているのではありません。

 ただ、友達を増やすことや知り合いが多いことを目的にしてはいけないと言いたいのです。貧乏な人は、友達の多さで心をまぎらわせ、しかも、その友達とのつきあいでお金がどんどん減っていきます。せいぜい、結婚式に呼ばれる友達の一人としてご祝儀貧乏になるのが関の山という感じでしょう。

 信頼を軸にしっかりとした関係を築く。これが、いざというときに本当にあなたを助ける友情・人脈なのです。


人脈を広げることを目的にしないようにしよう

※第4回:「どうにかなる」と言う人はお金持ちになれない


『貧乏は必ず治る。』
 桜川真一 著
 CCCメディアハウス


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2

ワールド

ベトナム国会議長、「違反行為」で辞任 国家主席解任

ビジネス

ANAHD、今期18%の営業減益予想 売上高は過去

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中