最新記事

生活習慣

友達の多い貧乏人、友達の少ないお金持ち

2017年3月4日(土)16時44分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

Tomwang112-iStock.

<明るく社交的でつきあいのいい人こそ、貧困の谷に落ちかねない!? 「隠れ貧乏」を脱するための処方箋その3>

それなりの収入はあるはずなのに、なぜか貯金が貯まらない。そんな人は「隠れ貧乏」だと、桜川真一氏は言う。

「隠れ貧乏」とは、自覚のない、あるいは気づいているけれど認めたくない貧乏のこと。桜川氏によれば、考え方や行動の癖からくる、いわば生活習慣病だ。今は大丈夫でも、結婚したとき、子育てのとき、あるいは退職したときなど、ライフスタイルの変化を機に生活が苦しくなる。

兄の会社が倒産し、3億円の保証金を背負って自己破産寸前となった桜川氏は、そこから不動産と株で3億円の資産をつくることに成功したという。お金持ちへのステップを登り始めるなかで彼が見出したのが、「いつもお金がない」から抜け出す処方箋だった。

ここでは、その処方箋をまとめた『貧乏は必ず治る。』(CCCメディアハウス)から一部を抜粋し、5回に分けて転載する。第3回は「友達の多い貧乏人 友達の少ないお金持ち」より。貧乏な人とお金持ちを比較した40の項目の1つだ。

※第1回:買い物を「わり算」で考えると貧乏になります
※第2回:情報を多くもっている人が仕事ができるわけじゃない

◇ ◇ ◇

友達の多い貧乏人 友達の少ないお金持ち

 貧乏な人というと、友達もいなくて寂しい印象があるかもしれません。実は、そうではありません。

 ここでは、サラリーマンやOLで、ちょっと間違えば貧困の谷に落ちかねない人、そして老後までずっとお金に悩むことになる人のことについて、書きたいと思います。

 この手の貧乏な人には、明るく見た目にも社交的な人が多い。つきあいもいいし、性格もいいので周りの評判も悪くないという人が多いです。そんな感じだから、友達同士の会や地域の活動などでもまとめ役になりがちです。会社でいえば、係長や課長、グループリーダーで、部下からも嫌われず、仕事もそこそこといったタイプの人です。

 私の知人のYさんは、誰とでもすぐに友達になれるタイプ。飲み会があればどこにでもかけつけます。この人柄が好まれたのでしょう、地方の金融機関で働くYさんは、30代までは、同期の中で一番早く課長になったりと順調なサラリーマン生活を送っていました。60歳近くになっても、明るい性格もあって、ときには飛行機を使って飲み会に参加するなど友達を大切にする姿勢は変わりません。でも、明るい人柄だけでは社内の出世競争は勝ち抜けなかったのでしょう、今は同期に抜かれ間もなく定年です。

 社内の出世競争なんて、彼の性格からすればどうでもいいことだったのかもしれません。それより、彼の現在の切実な悩みは、老後の蓄えがないことです。

 つきあいの良さがあだになり、貯金がないのは当然でしょう。それでも、老後の貧乏を心配しながら、今も友達との飲み会に明け暮れています。ちなみに彼が今一番恐れているのは、退職と同時に言われるかもしれない妻からの離婚の申し出だそうです。もしかすると、自分自身の心の寂しさを紛らわすために多くの友達との交流を続けているのかもしれません。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏、マスク氏盟友アイザックマン氏をNASA

ビジネス

10月マネタリーベース7.8%減、14カ月連続のマ

ワールド

政府閉鎖さらに1週間続けば空域閉鎖も、米運輸長官が

ワールド

UPS機が離陸後墜落、米ケンタッキー州 負傷者の情
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「あなたが着ている制服を...」 乗客が客室乗務員に「非常識すぎる」要求...CAが取った行動が話題に
  • 4
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 5
    これをすれば「安定した子供」に育つ?...児童心理学…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    高市首相に注がれる冷たい視線...昔ながらのタカ派で…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    「白人に見えない」と言われ続けた白人女性...外見と…
  • 10
    【HTV-X】7つのキーワードで知る、日本製新型宇宙ス…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 6
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 10
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中