最新記事

アメリカ経済

FRB、米商用不動産の値上がりに懸念増す 金融政策報告書で

2017年2月15日(水)10時15分

2月14日、米連邦準備理事会(FRB)は、イエレン議長の議会証言に合わせて議会に提出した金融政策報告書で、米商業用不動産の値上がりに「懸念が増している」との認識を示した。写真はニューヨーク・マンハッタンの風景。中央にそびえ立つ超高層ビルは432 パーク・アベニュー。昨年11月撮影(2017年 ロイター/Lucas Jackson)

米連邦準備理事会(FRB)は14日、イエレン議長の議会証言に合わせて議会に提出した金融政策報告書で、米商業用不動産の値上がりに「懸念が増している」との認識を示した。

FRBが半期に一度の金融政策報告書で、商業用不動産セクターに警鐘を鳴らすのは2015年2月から5期連続。

FRBは今回の報告書で「不動産価格が上昇を続け、資本収益率は歴史的な低水準に低下する中、過去1年で懸念が増大している分野である商業用不動産の評価額は一段と上昇した」と指摘。ただ、金融の安定性全体に対するリスクは「中程度」とした。

報告書は、商業用不動産の債務は経済全体に対して依然低水準で、銀行は融資基準を厳格化しているものの、商業用不動産の評価額の上昇圧力が高まることで、一部の中小銀行は商業用不動産の大幅な値下がりの影響を受けやすくなる可能性があると警告した。

FRBのデータによると、米銀の商業用不動産向け融資額は2015年9月に金融危機前の水準を超え、今年1月時点で過去最高の1兆9700億ドルを記録。このうち1兆2200億ドル程度を小規模銀行が担っている。

米調査会社グリーンストリート・アドバイザーズが算出する商業用不動産価格指数をみると、米商業用不動産価格は2009年半ばに付けた金融危機後の最低水準から倍以上に上昇している。

[14日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

中国、東アジアの海域に多数の艦船集結 海上戦力を誇

ワールド

ロシアの凍結資産、EUが押収なら開戦事由に相当も=

ビジネス

日経平均は3日続伸、1000円超高 AI関連株高が

ビジネス

伊藤園、飲料品の一部を来年3月から値上げ お~いお
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中