最新記事

アップル

アップルがチラ見せした「自動運転車プロジェクト」への欲望

2016年12月21日(水)16時48分
デイビッド・カーリー ReadWrite[日本版]編集部

プロジェクトネーム「タイタン」として知られるアップルの自動運転車のデザイン (c) ReadWrite[日本版]編集部

 先日、アップルがとある団体へ手紙を送った。その団体とは、米運輸省高速道路交通安全局である。その手紙を見るに、同社は自動運転車に対する興味を認めたと言えるだろう。

 アップルの製品統合ディレクターのスティーブン・ケナーは、「交通を含む自動化されたシステムのポテンシャルに大いに興味を持っているし、自動運転車は社会的利益も大きいと考えている」と述べている。

 また、アップルは規制団体にこれから起こる市場の成長を損なわないよう、あまり多くの規制を課さないよう求めている。たとえば自動車業界への新規業者の参入ができないことを挙げており、同社は同じ轍を踏みたくない意向を示した。

隠しきれないアップルの欲望


アップルはクルマにご執心? 自動運転車のプロジェクトのほかにもマクラーレン買収の動きなど、アップルが自動車に関心をもっていることは周知の事実

 今回の件は、アップルの自動運転車計画がはじめて公となったものである。はじめて公になったとはいえ、この大きな秘密はシリコンバレー有数の"頭隠して尻隠さず"案件だ。同社に近い筋からの情報によると、アップルの自動運転車に対する取り組みは2年以上になっているという。

 彼らの隠れた取り組みは、これまでも競合他社の目を引いてきた。テスラのCEO イーロン・マスクは、アップルが自動運転車プロジェクトのために人材を引き抜いたことを非難した。

 アップルの自動運転車計画の全容はいまだ明らかになっておらず、現在も人材集めを続けていることからもこういった状況はあと数年続くだろう。同社はよりソフトウェア寄りのアプローチを取り、ハードウェア面はパートナーの自動車業者に任せるという噂もある。

 アップルもこの勝負はローンチで出遅れれば分が悪くなるとわかっているだろう。しかし、テスラはすでに自動運転車のテストモニターを数多く抱え、グーグルは自動運転で100万マイル以上の距離を走破している。その他の同業者のも米国やヨーロッパ、アジアでそれぞれのプログラムを推進中だ。

 アップルには、まだ上手に隠しているとっておきの秘策でもあるのかもしれない。引き続きその動向に注目が集まる。

 

footerlogo.png
ReadWrite[日本版]編集部

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ノーベル平和賞マチャド氏、授賞式間に合わず 「自由

ワールド

ベネズエラ沖の麻薬船攻撃、米国民の約半数が反対=世

ワールド

韓国大統領、宗教団体と政治家の関係巡り調査指示

ビジネス

エアバス、受注数で6年ぶりボーイング下回る可能性=
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 3
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 4
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡…
  • 5
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 6
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 7
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中