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昭和の食生活

1日おきに魚と肉......栄養のかたよりを防ぐ永山流食事法

2016年11月18日(金)12時01分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 牛肉が他の肉よりも赤い色をしているのは、鉄分をたっぷり含んでいるからで、貧血の予防や改善に効果があります。豚肉の特色は、何といってもビタミンB1が多いことでしょう。これは炭水化物をエネルギーに変える際に欠かせないビタミンで、疲労を回復させる効果があります。

 鶏肉にはビタミンAが多く、これは感染症を予防して眼の若さを保つお手伝いをします。さらに、鶏の胸肉に多く含まれるカルノシンは抗酸化力が強く、老化を防止してくれます。

 ですから、これら魚、牛肉、豚肉、鶏肉を、一日おきに食べるのが賢い食事といえます。体に良く、おいしく、しかも財布にやさしい。いつまでも若々しく、元気に暮らすための生活の知恵です。

 上京したての頃、新宿の肉屋で売れ残りの豚の内臓を、タダでいただいたことがあります。

「兄ちゃん、安いだろう」という肉屋のオジサンに、私はポケットの小銭を握りしめて、「バス代しかないから」と答えました。

 すると「兄ちゃん、フクシマか? 俺もそうだよ。バス代しかない? わかった。いいから、持ってけ。痩せて、倒れそうだぜ」といいました。「マンガ描いてる? そうか。このモツ、明日は売り物にならねえから、タダでいいよ。がんばれよ」と持たせてくれたのです。

 私の福島なまりでわかったのでしょう。その夜、私はポツンと灯った暗い裸電球の下で、キャベツと一緒に人の情(なさ)けを嚙み締めました。

※シリーズ第4回:甘酒......心の傷まで治してくれる、飲む点滴・甘酒


『ひと月1万円!体にやさしい
 昭和のシンプル食生活』
 永山久夫 著
 CCCメディアハウス


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