最新記事

ライフスタイル

日本人の「自信がない」は嘘、原因は「感染」にあり!?

2016年11月2日(水)17時59分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

 たとえば「27 自信のある決断をする」では、プレッシャーから解放されることが必要だとして、決断を下す前に時間をとることを勧めている。著者によれば、プロポーズするかどうかを決めるには1週間くらい間を空けたほうがいいそうだ。その時間で、リサーチしたり、だれかに相談したり、あるいは、いったん忘れてリフレッシュしたり。そうすれば、自信をもって決断できる。

「30 経済的な自信」という項目もある。お金持ちになりさえすれば自信満々になれる、と考えている人もいるかもしれないが、著者に言わせれば、それは逆ということになる。富が自信を生むのではなく、自信が富を生む。お金についてしっかりとした信念と戦略をもち、適切な行動をとっていれば、それが経済的な自信につながり、結果的に富を手にすることができるのだ。

 もちろん、これらすべてを実践しろというわけではなく、目次を見て、自分に必要な項目を拾い読みすればいい。そして、やれることから実践していけば、自信をもてる場面が増えていくことになる。

コメディアン曰く、ダメなところを真剣に考えない

 本の後半には、「38 自信のある起業家」や「41 自信のあるスピーカー」「44 自信のある教師」など、一見、特定の人にしか役に立ちそうにない項目が並んでいる。とくに「43 自信のあるコメディアン」は、一体どれくらいのニーズがあるのか、なぜわざわざ項目を設けたのか疑問に思えてくるほどだ。

 しかしながら、読んでみると「なるほど」と思わされる。たとえば起業家なら「ニッチを知る」「やらないことを明確にする」「バランスをうまくとる」という3つのテクニックが紹介されているが、たしかに、これらを実践できている起業家なら自信満々だろう。言い換えれば、こうした点をおろそかにしていることが自信のなさにつながる、ということではないだろうか。

 つまり、「落とし穴」を埋めておくことも、いつでも自信を引き出すための重要な鍵になるのだ。そして、このことは起業家だけに役立つアドバイスではない。

「43 自信のあるコメディアン」では、著者のニュージェントではなく、実際にコメディアンとして活躍していたこともある人物(たぶん、あまり有名ではない)が、この項目のコーチとなっている。そうした項目は他にもいくつかあって、そのため項目ごとに詳細なテクニックやアドバイスが紹介されている点は、本書の特徴と言えるかもしれない。

 そして、コメディアンの何が私たちに役に立つのかといえば――「人々を笑わせるためにステージに上がることほど自信を必要とするものはない。自分のことをとても面白い人だと期待している会場中の人を笑わせるのは、控えめにいってもぞっとする」(p.219)。たしかに。彼らのテクニックとは「OKじゃないけどOKになる(=OKじゃない状態になっても冷静でいる)」「ダメなところを真剣に考えない」など。なるほど。前者は、本来の能力とは切り離された自信を育てる秘訣であり、後者は、どんなときでも自信を見失わないためのヒントだ。

【参考記事】成長するには「失敗」に必要以上の注意を向けないこと

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

「オレオ」のモンデリーズ、新AIツールでマーケティ

ワールド

トルコ裁判所、最大野党党首解任求める訴え棄却 株式

ワールド

ユーロ圏総合PMI、10月は17カ月ぶり高水準 サ

ワールド

フランス社会党、週明けに内閣不信任案提出も 富裕層
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 8
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 9
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 10
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中