最新記事

2016米大統領選

トランプの「ロシア通」外交顧問カーター・ペイジとは何者?

2016年8月29日(月)18時31分

 すでに共和党から大統領候補指名を受けたトランプ氏は、3月21日付のワシントンポスト紙によると、5人の外交政策アドバイザーの1人としてペイジ氏の名前を挙げた。ロイターは、ペイジ氏がその後トランプ陣営のために行った仕事について、またトランプ氏が彼を選んだ理由について問い合わせたが、ヒックス氏からの回答は得られなかった。

 ロシア政府に対して批判的なアレクサシェンコ氏は、2006年から2007年にかけてペイジ氏の上司だった。現在は、米シンクタンクのブルッキングス研究所で非常勤上級研究員を務めている。

 この他にも、モスクワで勤務していたメリルリンチの元従業員3人がロイターに話したところによると、ペイジ氏はその職階からして、メリルリンチの取引で中心的な役割を果たしたはずがないし、当時は外交政策について真剣な関心や専門的知識を持っている様子はなかったという。

 トランプ氏が外交担当チームを任命した後まもなくして、トランプ陣営の一員であるサム・クロービス氏は、陣営が目指しているのは、他候補のように元高官らに頼るのではなく、「実社会」や軍で経験を積んだ人材を集めることだと語った。

ロシア政府寄りの姿勢

 対ロシア政策は今回の米大統領選において主要な争点となっており、トランプ氏はロシアのプーチン大統領を「力強い指導者」と呼んでいる。ロシアの国営メディアはトランプ氏について好意的に報道しており、民主党候補であるヒラリー・クリントン氏よりもトランプ氏の方がロシア政府にとって都合のいい候補者であることに疑いはない。

 トランプ氏同様、ペイジ氏もオバマ政権の対ロ方針とは対立する意見を持っており、近年は、折に触れてロシア政府の姿勢におもねる見解を表明してきた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ停戦案、ハマスは修正要求 米特使「受け入れられ

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防

ビジネス

中国5月製造業PMIは49.5、2カ月連続50割れ

ビジネス

アングル:中国のロボタクシー企業、こぞって中東に進
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 6
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 7
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 10
    第三次大戦はもう始まっている...「死の4人組」と「…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中