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ネバダの砂漠に出現するクレイジーな共同体

2016年8月22日(月)15時10分
リー・スン

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Jim Urquhart-REUTERS

 発足当初はこんな規模になるはずではなかったと、ロウは言う。アーティストの集う聖地で、ルールのないつかの間の社会を築く実験場だった。それが今はシリコンバレーのエリートに私物化されている。「カネのない若造やヒッピーがリッチな若造やヒッピーに仕え、トップダウンで支配される社会になってしまった。そういうものから遠ざかるために砂漠に行ったのに」

 ミラーが言うには、チケットの値上がりは単に、年々膨れ上がる運営コストや保険、許認可料などを賄うため。14年の運営コストは3000万ドルに上った。

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Jim Urquhart-REUTERS

【参考記事】リオ五輪でプロポーズが大流行 「ロマンチック」か「女性蔑視」か

 ロウは今でも、このイベントが若手アーティストの人生を変える経験になるかもしれないと考える。それでも、実際には金持ちのお砂場遊びになっている。

「フェイスブックやグーグルが従業員に与える休暇としては、最高のものだろう」と、彼は言う。「バーニングマンは今や企業休暇だ。会社公認で裸になり、ドラッグをやり、会ったばかりの誰かとやれるイベントだ」

[2016年8月23日号掲載]

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