最新記事

IoT

産業用IoT市場を制覇するのは中国? そのポテンシャルと落とし穴とは

2016年8月16日(火)16時14分
ドナルド・パワー ReadWrite[日本版]編集部

 中国は、需要に勢いのある「インダストリルIoT(IIoT)」の市場において世界をリードしようと虎視眈々としている。

 エコノミスト誌は、最近の記事で中国が世界のIIoT市場でシェアの多くを獲得する立ち位置につけたことを大きく賞賛している。

 現在中国が世界最大の工業生産力を有していることが、世界のIIoTを牽引する地盤になるというのがその意見だ。

 世界中の電化製品の多くが中国で作られていることから、IIoT製品もそうなることだろう。また、多くの中国製IIoT技術は国内に多数ある工場への販売を狙ったものである。このことは国内の工業レベルの底上げを狙う政府の目論見と合致するとエコノミスト誌は言っている。

 中国のコネクテッドデバイスの数は世界一であり、IDCの報告によれば、中国全体のIoT市場は2015年の1兆9300億ドルから、2020年には3兆6100億ドルになるという話だ。さらに、アクセンチュアの見積りによると、中国のIoT関連の産業は2030年には7兆3600億ドル規模に達するという。

中国のIIoT産業に着手するGE

 中国のIIoT市場のポテンシャルの高さは、沿岸部に多大な資本を集めている。

 エコノミスト誌は、General Electricが上海に設立した「デジタル工場」をこういった動きの最たる例として取り上げている。これにより、中国企業はIIoT製品の開発および商業化が可能となるであろう。

 GEは中国のほかパリにも工場を持ち、これは同社のプロプライエタリなIIoTソフトウェア『Predix』の戦略の中心に置かれている。現在、中国電信、中国東方航空、Huaweiといった企業が興味を示しているようだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

焦点:昨夏の市場暴落再来に警戒感、大口投資家が備え

ビジネス

香港中銀が為替介入、ペッグ下限到達で12億米ドル売

ビジネス

午後3時のドルは144円半ばで上値重い、FRBの独

ビジネス

独消費者信頼感、7月は-20.3に悪化 貯蓄意欲が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 5
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 6
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 9
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 9
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中