最新記事

セキュリティ

イリノイとアリゾナの有権者登録システムに不正侵入の痕跡、FBIがセキュリティ強化求める

2016年8月30日(火)18時26分

8月29日、米連邦捜査局(FBI)は、イリノイ州とアリゾナ州の有権者登録のデータベースに不正侵入の痕跡が見つかったと明らかにし、11月8日の大統領選に備えてコンピュータのセキュリティ強化を両州に求めた。写真はポーランドの首都ワルシャワで2013年2月撮影(2016年 ロイター/Kacper Pempel)

 米連邦捜査局(FBI)は、イリノイ州とアリゾナ州の有権者登録のデータベースに不正侵入の痕跡が見つかったと明らかにし、11月8日の大統領選に備えてコンピュータのセキュリティ強化を両州に求めた。

 ある関係筋は29日、匿名で、ほかの州が標的にされたかどうかを示す根拠についても捜査中と述べた。

 FBIの「サイバー部門」は18日に緊急警告を行っていたが、侵入者や(標的となった)2州の特定はされなかった。

 第一報はヤフー・ニュースが29日に報道。その後ロイターは資料を入手した。

 有権者登録では通常、登録者の氏名、現住所、運転免許証または身分証明番号、所属政党が登録される。大半は公に入手可能な情報で、アクセス自体が必ずしも票の操作を試みたことを示しているわけではない。

 だが情報当局者らは、ロシアなどの国の支援を受けたハッカーが、大統領選を妨害するのではないかと懸念を強めている。

 ヤフー・ニュースは、州の選管委員の発言として、イリノイ州の有権者最大20万人分の情報が不正入手されたことから、7月末に登録システムが10日間閉鎖されたと伝えた。州の有権者登録システムはしばしばハッカーの標的になり、20万人という人数は最近のほかのケースに比べれば小規模といえる。

 アリゾナ州の被害はさらに規模が小さく、州職員のパソコンにマルウエアが入り込んだという。

 ただ、情報セキュリティのコンサルタント会社トラステッドセックのデービッド・ケネディ最高経営責任者(CEO)は、今回のハッキングは「より大規模な攻撃の前兆である可能性がある」と述べた。

[ワシントン 29日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン核施設の損害深刻、立て直しには数年要する=C

ビジネス

NY外為市場=ドル、対ユーロで2021年来の安値 

ワールド

米とイラン、核施設の被害規模巡る見解に相違=ロシア

ワールド

仏大統領がイスラエル首相と電話会談、イラン停戦合意
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 5
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 6
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 7
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 8
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 9
    細道しか歩かない...10歳ダックスの「こだわり散歩」…
  • 10
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中