最新記事

トルコ

トルコのエルドアン政権が死刑復活ならEU加盟できず、ドイツがクーデター処罰でけん制

2016年7月19日(火)10時05分

 7月18日、ドイツ政府の報道官は、トルコが死刑制度を復活させるならばEUには加盟できないとの認識を示した。写真は、トルコ国旗を掲げて政府を支持する人たちによるデモ。イスタンブールで撮影(2016年 ロイター/Alkis Konstantinidis)

ドイツ政府のザイベルト報道官は18日、トルコが死刑制度を復活させるならば欧州連合(EU)には加盟できないとの認識を示した。トルコのエルドアン大統領が、同国で起きたクーデター未遂に関連して死刑復活の可能性に言及したことに対して述べた。

ドイツはエルドアン政権に対し、法律に基づいて事件の捜査や訴追に当たるよう要請。何千人もの裁判官を拘束した政権の判断に疑問を呈した。

報道官は記者会見で「ドイツやEU加盟国は明確な立場をとっている。それは死刑を断固として拒否するということだ」と述べた。

「死刑制度がある国はEUの加盟国にはなれない。トルコが死刑制度を導入すれば、加盟交渉は終わる」と加えた。

トルコは2004年に死刑制度を廃止したことで、翌年にEU加盟交渉を開始した。しかし、交渉にはそれ以降あまり進展がない。

政権を支持する抗議者らが、クーデター未遂の首謀者らの処刑を求める中、エルドアン大統領は17日、死刑復活について野党と協議すると述べた。

クーデター未遂が起きる前から多くのEU加盟国は、大半がイスラム教の大国であるトルコを加入させることに前向きでなかった。トルコの基本的な人権への対応もここ数年で後退しているとの懸念が上がっている。

トルコ政府は17日、クーデターに関わったとされる者への取り締まりを拡大し、軍部や法曹界などの6000人を拘束した。

ドイツ当局は今回の事件について、あくまでも軍の一部が政権を掌握しようとしたものであり、それを超える陰謀があった証拠は一切ないとしている。

エルドアン政権は、かつてのエルドアン首相の盟友で米国を拠点にするイスラム教指導者、ギュレン師をクーデター未遂の黒幕として糾弾している。



[ベルリン 18日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

MAGAZINE

特集:沖縄ラプソディ

2019-2・26号(2/19発売)

報道が過熱するほど見えなくなる沖縄のリアル 迫る県民投票を前にこの島を生きる人々の息遣いを聞く

人気ランキング

  • 1

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練された方法を持っていた

  • 2

    思春期に大麻を摂取してなければうつ病が防げたかも 米国で40万件

  • 3

    少女の乳房を焼き潰す慣習「胸アイロン」──カメルーン出身の被害者語る

  • 4

    アマゾン、2年連続税金ゼロのからくり

  • 5

    家畜のブタが人食いブタに豹変──ロシア

  • 6

    数百万人の「中年フリーター」が生活保護制度を破綻…

  • 7

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してし…

  • 8

    29年前の「女子高校生コンクリート詰め殺人事件」の…

  • 9

    韓国経済の先行きに不透明感が高まっている3つの理由

  • 10

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 1

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーンの妻たち

  • 2

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してしまった女性にネットが炎上

  • 3

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」驚異の運動神経をNFL選手も絶賛

  • 4

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 5

    アマゾン、2年連続税金ゼロのからくり

  • 6

    数百万人の「中年フリーター」が生活保護制度を破綻…

  • 7

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 8

    家畜のブタが人食いブタに豹変──ロシア

  • 9

    女性の体は、弱い精子をブロックする驚くほど洗練さ…

  • 10

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 1

    13.48秒――世界最速の7歳児か 「ネクスト・ボルト」驚異の運動神経をNFL選手も絶賛

  • 2

    ホッキョクグマ50頭が村を襲撃、非常事態を発令

  • 3

    【動画】子犬の「返品」を断られて激高し、殺してしまった女性にネットが炎上

  • 4

    インドネシアの老呪術師が少女を15年間監禁 性的虐…

  • 5

    小説『ロリータ』のモデルとなった、実在した少女の…

  • 6

    『ボヘミアン・ラプソディ』を陰で支えた、クイーン…

  • 7

    エロチックなR&Bの女神が降臨 ドーン・リチャードの…

  • 8

    口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

  • 9

    フィンランドで隠し撮りされた「怪物」の悲劇

  • 10

    恋人たちのハグ厳禁! インドネシア・アチェ州、公…

英会話特集 資産運用特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
「ニューズウィーク日本版」編集記者を募集
デジタル/プリントメディア広告営業部員を募集
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2019年2月
  • 2019年1月
  • 2018年12月
  • 2018年11月
  • 2018年10月
  • 2018年9月