最新記事

金融

イギリスがEU離脱するとロンドンの金融機関が「パスポート」失効

2016年6月16日(木)18時18分

6月15日、英国が来週に実施する国民投票でEUからの離脱を決めれば、ロンドンに拠点を構える銀行や金融機関は英国がEUに属することによって浴している恩恵を失うことになる。写真は投票用紙。1日撮影(2016年 ロイター/Russell Boyce)

 英国が来週に実施する国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めれば、ロンドンに拠点を構える銀行や金融機関は英国がEUに属することによって浴している恩恵を失うことになる。

 業界関係者や欧州当局者らによると、パスポーティングとして知られる制度の下、低コストでEU中にサービスを提供できる権利や単一のルールを背景に、ロンドンは世界最大の金融センターとしてニューヨークと張り合っている。

 サパン仏財務相はこれについて、「(英国が離脱を決めれば)『パスポート』はなくなる」とロイターに語った。金融サービスで自由なアクセスを維持するには高額の費用を支払わなければならなくなる。

 ドイツ、フランス、ルクセンブルク、アイルランドはいずれも投資銀行、清算・決済、資金管理といった分野でロンドンから事業を引き揚げようとするだろう。

 銀行業界団体AFMEは報告書で「多くの英銀行および投資会社の主な懸念は、英国のEU離脱によって『パスポート』からこれ以上恩恵を受けることができなくなり、EU非加盟国の企業と同じ規制に従わなければならなくなることだ」とした。

 こうした影響は欧州本社をロンドンに置く米国や日本といった欧州以外の銀行で顕著となりそうだ。多くは既に、英国がEU離脱となれば欧州での一部事業をあきらめたり、欧州本社をユーロ圏内に移したりすることを検討している。

[ブリュッセル 15日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FOMCが焦点、0.25%利下げ見込みも反対票に注

ワールド

ゼレンスキー氏、米特使らと電話会談 「誠実に協力し

ワールド

小泉防衛相、中国軍のレーダー照射を説明 豪国防相「

ワールド

ガザ交渉「正念場」、仲介国カタール首相 「停戦まだ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 6
    「搭乗禁止にすべき」 後ろの席の乗客が行った「あり…
  • 7
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 8
    ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パート…
  • 9
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 7
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 8
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中