最新記事

ファストフード

シェイクシャックに続け! プレミアムバーガーブームで和牛7000円メニューも

2016年6月6日(月)10時44分

 米国はすでに牛肉を使ったハンバーガーの最大消費国であり、主要な消費者調査会社である米NPDグループによると、2015年は1人当たり30個を食べたことになる。2位はオーストラリアで、1人当たり24個だった。

 こうしたレストラン業界は、より健康的でおいしいハンバーガーに惜しげもなく金を使う新たな顧客を取り込もうとしている。

 シカゴの繁華街にあるシェイクシャックでは、ダブルチーズバーガーの価格は約8ドル(約870円)なのに対して、マクドナルドのそれは2ドル程度だ。一方、ラスベガスのマンダレイ・ベイ・カジノ内のレストランで提供されている和牛とトリュフ、フォアグラを使ったグルメバーガーの価格は65ドル(約7000円)に上る。

 マクドナルドでさえ、自社のバーガーに冷凍肉ではなく、新鮮な牛肉の使用を検討する気にさせられている。同社の広報担当者はロイターに対し、テキサス州ダラスにある14店舗では新鮮な肉を試験的に導入していると語った。

 ハンバーガー市場は成長の余地が十分にある。ファイブガイズやスマッシュバーガーのような有名グルメバーガーチェーンは世界で計2500店舗にも満たない。一方、マクドナルドやバーガーキング[BKCBK.UL]の店舗は計5万店舗以上ある。

 <牧場の牛も増加>

トレンドの変化に伴う需要増によって、すぐに供給が滞るわけではないと、食肉業界の専門家は指摘する。

 米国産牛肉の今年の生産量は2015年の237億ポンド(1075万トン)から4%増の246億ポンド超になる見込みだ、とコロラド州にある家畜市場情報センターは予測している。

 数年にわたる干ばつのせいで、2014年には63年ぶりの低水準となった牛の個体数が改善しているのに伴い、牛肉の生産量も増加している。水が十分に供給されるようになった現在、米牧場経営者はより体重のある牛を生産している。

 「需要を満たすのに十分なくらい供給量が増えたのだと思う」と、コンサルティング会社スターリング・マーケティングのジョン・ナリブカ社長は語った。

 (Theopolis Waters記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)

[シカゴ 1日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領選、バイデン氏とトランプ氏の支持拮抗 第3

ビジネス

大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金

ワールド

ニューカレドニアの暴動で3人死亡、仏議会の選挙制度

ワールド

今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 4

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 8

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 9

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 10

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中