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アフガンの米軍、ドローンが空爆の主役に

戦場の主役はドローンになったことが明らかに

2016年4月25日(月)10時15分

 4月20日、ドローン(無人飛行機)が昨年初めてアフガニスタンで通常の戦闘機よりも多くの空爆を実施していることが明らかになった。写真は無人機のMQ-9リーパーを誘導する米空軍兵。アフガニスタンのカンダハール空軍基地で3月撮影(2016年 ロイター/Josh Smith)

ドローン(無人飛行機)が、昨年初めてアフガニスタンで通常の戦闘機よりも多くの空爆を実施しており、その比重が高まっていることが、これまで未公表だった米空軍のデータで明らかになった。

米軍が無人機にどれほど頼ってきているかを如実に示している。

この傾向は米軍の戦略についての手掛かりを与えてくれるかもしれない。米軍はアフガンからのさらなる撤退を検討している一方、勢いづく反政府武装勢力「タリバン」制圧に苦戦中のアフガン軍を増強している。

ドローンによる民間人の犠牲者をめぐり人権団体や外国政府が懸念を示すなか、オバマ米大統領は2013年に、アフガンでの2014年以降の米軍削減と対アルカイダ作戦の進捗によって、「無人機による空爆の必要性は減少する」との見通しを示した。

あるレベルでみれば、それはうまく実践された。アフガンでドローンによって投下されたミサイルや爆弾の数は昨年減少した。それは主に、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)軍が2014年末時点で戦闘行為をやめ、今やほんの一部が残るだけの規模となっているからだ。

ただ、米空軍データによれば、軍の規模が縮小する一方で、ドローンへの依存度はかつてないほど高まっている。今年の第1・四半期にアフガンに配備された兵器のうち、少なくとも61%がドローン攻撃に占められている。

ドローンによる攻撃と偵察活動の頻度について、米空軍の第62遠征偵察飛行隊司令を務めるマイケル・ナビッキー中佐は、「ここ数カ月間は、間違いなくより多く飛行している」と言う。

「兵器の配備はここ数カ月増えており、需要はとどまるところを知らない」と同中佐はアフガン南部の都市カンダハールにある空軍作戦センターでロイターに語った。

従来の大規模な空爆作戦が進行するなか、長期的なドローンへの移行は、ほとんど注目されないまま行われている。

ロイターが調査したデータによると、ドローン攻撃は、昨年アフガンに米空軍が配備した兵器の56%を占め、2011年の5%から劇的に増加している。

アフガニスタン駐留米軍司令官のジョン・ニコルソン陸軍大将の手によって進められている見直し作業の中で、ドローンの役割は、重要な位置を占めることになりそうだ。同司令官は、どれほどの軍隊がアフガンに駐留すべきかを、6月に米議会に報告する準備を進めている。

ニコルソン司令官は、ロイターとの最近のインタビューで、その見直しの詳細について議論することを拒んだ。

現在の計画では、2017年までに、現在多くが反テロ作戦に関わっている駐留米軍の規模を5500人にほぼ半減させる。訓練や指導的な活動も大幅に削減される。

<「逆行」する米軍>

ドローンは昨年、アフガニスタンで約530発の爆弾とミサイルを発射した。これはピークだった2014年の半分に当たる。

しかし、この数字は、NATO軍が、主に米軍主導で2009年以降10万人規模に派兵を拡大した「急増」期のまっただ中と比べれば、ほぼ倍増している。

他の多くのアフガンにある米軍事機関と同様、撤退に伴って縮小する計画と足並みをそろえるようにドローン作戦は徐々に縮小してきたとナビッキー司令は語る。

しかし昨年末、軍司令官たちはドローン作戦の縮小に「ブレーキをかけ、針路を反転させた」と同司令は言う。特にこれ以降、アフガン東部で脅威を与える過激派組織「イスラム国」の兵士たちに対し、空爆を増やすよう命令が下ったという。

タリバンは、自身もアフガン北部と南部で勢力を拡大する一方、アルカイダと密接なつながりを築くことで、何が正当な標的で何が正当な標的でないのかの境界をあいまいにさせる可能性がある、とニコルソン司令官は指摘する。

空軍は今年第1・四半期に約300の兵器を配備、そのうち61%をドローンが占めた。このデータは、アフガンでの空爆の大半を担う米空軍が実施した空爆を対象にしている。

米中央情報局(CIA)や米陸軍、特殊作戦部隊もまた、より少数のドローンや他の軍用機を保有している。これら様々な組織は作戦決行時には密接に協力する傾向があるものの、空軍のデータには、他の組織との再区分を反映している可能性がある。

<ドローン分析の盲点>

アフガン安全保障に対する大きな脅威となるタリバンは、米政府が定めたテロリストではない。このため、ドローン攻撃の大半は、アルカイダのようなジハードの戦士のネットワークをターゲットにしている。

しかし、タリバンは支配地域を広げており、極端な状況では、米軍も彼らを対象に攻撃している。米軍によるタリバン攻撃の根拠については、現在ニコルソン司令官によって見直しが行われている。

また、アフガニスタンが有する空軍もゼロから立ち上げている状態であり、今後何年間も支援が必要になるだろう、と当局者は話す。

秘密裏に行われるドローン作戦は、アフガンやパキスタンでは地元市民や役人たちが、ドローン攻撃は民間人の命を不必要に奪っていると非難するなど、広く批判を浴びている。

直近の例では、パクティーカー州の住民が、4月に行われた一連の空爆により、約20人の民間人が殺害されたと訴えた。住民は空爆がドローンで行われたと主張している。米軍はこの件を調査中だという。

活動家や調査機関はこれまでパキスタンやイエメンといった地域で秘密裏に行われた空爆作戦に注目してきた結果、アフガンは「ドローン分析において全くの盲点」となっている、と米コーネル大学で無人機について研究するサラ・クレプス教授は指摘する。

クレプス教授は「アフガンでの空爆は、ドローンについて最も過小報告されている側面の1つである」と述べた。

シリアとイラクでイスラム国と戦うためにリソースが割かれてはいるものの、当局者はアフガンでの戦闘はなおも重要だと語り、そこでは米空軍が世界で常時行うことができる60のドローン作戦のうち、ほぼ2割を占めていると説明する。

米国当局により兵力制限が課せられるこの時代、ドローンは極めて有益だとナビッキー氏は語る。なぜならドローンのサポートや操縦ができる約1000人の人員のうち、約200人しかアフガンに配置されていないからだ。

「遠隔操作される軍用機は、より少ない人員と軍用機による柔軟性の向上を意味する」と同氏は言う。「無人機だからこそ、時により大きなリスクも許容できる。こうしたことすべてが価値をもつ」

(Josh Smith記者、翻訳:高橋浩祐、編集:下郡美紀)

[20日 ロイター]

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