最新記事

テロ

パリ同時攻撃で23人逮捕、首謀者としてシリア在住のベルギー人特定

逮捕者のほか104人を自宅軟禁にし、ロケットランチャーや自動小銃などを押収

2015年11月17日(火)12時16分

11月16日、パリ同時多発攻撃を受け、仏警察は168カ所の家宅捜査を行い、これまでに23人を逮捕。エッフェル塔のようす(2015年 ロイター/Charles Platiau)

 パリで13日に発生した同時多発攻撃を受け、仏警察は15日夜から16日にかけ168カ所の家宅捜査を行い、これまでに23人を逮捕したほか、一連の攻撃の首謀者としてベルギー国籍を持つシリア在住の人物を特定した。

 捜査関係者によると、パリの同時攻撃の首謀者として「アブデルハミド・アバウド」との名前のベルギー国籍を持つ人物が浮上。この人物は現在シリア国内におり、欧州で複数の無差別攻撃を計画したとの疑いが持たれている。

 RTLラジオによると、この人物はモーレンベーク出身の27歳。報道によると、ベルギー国内で警察が未然に防いだ一連の攻撃の計画にも関与していた。

 ベルギー警察はまた、仏警察が前日、容疑者の1人として指名手配したベルギー生まれのフランス人、アブデスラム・サラ容疑者の行方を引き続き追っている。

 このほか、仏検察は死亡した実行犯7人のうち5人の身元を特定。5人のうち4人は仏国籍で、1人は10月にギリシャで登録のために指紋押捺を行った外国籍の人物としている。 警察によると実行犯のうち1人は依然逃走中。この人物の行方を追うとともに、少なくとも4人の共謀者がいたとして捜査を進めている。

 フランスのカズヌーブ内相によると、23人の逮捕者のほかに104人が自宅軟禁状態に置かれている。また、一連の家宅捜査を通してロケットランチャー(発射器)や自動小銃などを押収。記者団に対し「これは始まりにすぎない。こうした活動は今後も続く」と語った。

 バルス首相はRTLラジオに対し、「フランスだけでなく他の欧州の国に対するさらなる攻撃が計画されていたとの情報を得ている」とし、「われわれはテロによる脅威に長期間にわたりさらされることになる」と述べた。

 同時多発攻撃の捜査が拡大するなか、フランス軍は15日、今回の事件で犯行声明を出した過激派組織「イスラム国」のシリア領内の拠点を空爆。今回の空爆はこれまでで最大の規模という。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ガザ停戦案、ハマスは修正要求 米特使「受け入れられ

ワールド

米国防長官、「中国の脅威」警告 アジア同盟国に国防

ビジネス

中国5月製造業PMIは49.5、2カ月連続50割れ

ビジネス

アングル:中国のロボタクシー企業、こぞって中東に進
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 6
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 7
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 10
    メーガン妃は「お辞儀」したのか?...シャーロット王…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 6
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 10
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中