最新記事

気象

過去最強の台風8号が原発を襲う?

今週日本列島に接近する台風8号「ノグリー」は原発のある九州や四国付近を通過するが

2014年7月8日(火)15時16分
マリア・ガルーチ

強烈な雨と風 2003年7月にフィリピンを襲った台風 Romeo Ranoco-Reuters

 北上して日本に向かう非常に大型の台風8号「ノグリー」が、日本の3カ所の原発に損害を及ぼす恐れがある。

 台風8号は8日に沖縄県宮古島に接近後、10日は九州に近付き、日本列島は過去最強クラスの強風と激しい雨に襲われるとみられている。

「沖縄諸島を襲う台風としてはこの15年で最大規模の台風だ」と、米空軍嘉手納基地のジェームス・ヘッカー准将は同基地のフェイスブックに投稿した。「沖縄を直撃したらどれほど危険なものになるか、言葉では言い尽くせない」

 沖縄に原発はないが、九州には2つの原発がある(玄海原発、川内原発)。台風8号はこれらを通過しそうだ。四国の原発(伊方原発)も影響を受ける見込みがあると、ロイターは報じている。

 これら3カ所の原発は以前から稼働を停止している。九州電力の広報担当者はロイターに対し、台風8号に関連して特別な対策は予定していないが、同社の原発施設は年間を通じて深刻な悪天候から原発を守る戦略を取っていると語った。

 東日本大震災で被害に遭った福島第一原発は、今回の台風8号では最悪でも雨に見舞われる程度だとみられている。原発事故から3年以上が経過した今でも、東京電力は汚染水の流出を食い止めるのに苦慮している。

 気象庁によれば、台風8号は8日午前には宮古島の東北東90キロの海上を1時間に20キロの速さで北へ進んでいる。10日6時までの24時間に予想される雨量は沖縄地方では多いところで200ミリに達する見込みだ。

 それでも今回の台風8号は、昨年11月にフィリピンを直撃した台風30号「ハイエン」の威力には及ばない。この台風の死者は6000人以上に達し、過去最大規模の被害を記録した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物は3日続落、供給増の可能性を意識

ビジネス

「コメントしない」と片山財務相、高市政権の為替への

ビジネス

インド中銀は仮想通貨とステーブルコインに慎重姿勢=

ビジネス

全国コアCPI、10月は+3.0%に加速 自動車保
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中