最新記事

ロシア

プーチン夫人、離婚前の謎の「空白期間」

2013年6月10日(月)14時12分
アンナ・ネムツォーワ(モスクワ)

多忙な夫の影で孤独な日々

 リュドミラの場合は、オレグ・ブロツキーによるプーチン伝で自ら回想しているところから判断する限り、ちゃんと「身の程」を心得ているようだ。

 同書によれば、結婚生活の早い段階で、彼女は夫が「女性はすべての家事を1人でこなすべきだ」と考えていることを知った。第2子の妊娠7カ月のときも、リュドミラは上の子を抱えながら1人で重い買い物袋を上階に運ばなければならなかったという。彼女はブロツキーに、プーチンがKGB(国家保安委員会)の工作員として赴任していた東ドイツのドレスデンでの生活は寂しいものだった、ともこぼしている。

 08年には、リュドミラの回想を基にしたとされる映画『キス/ノット・フォー・ザ・プレス』が製作され、DVDとして発売されたが、国内の映画館ではほとんど上映されなかった。

 その冒頭シーンは、サンクトペテルブルクでの自動車事故。リュドミラはこれで重傷を負ったが、この日も彼女は独りぼっちだった。当時同市の副市長だったプーチンは米テレビ界の大物テッド・ターナーを案内するのに忙しく、代わりに部下を病院に行かせたのだった。

 リュドミラの不在を寂しく思う人々もいる。モスクワの有名ファッション・デザイナーであるウラジスラフ・ザイツェフは昨年10月、民間テレビ局のある番組で「私はリュドミラが大好きだ」と語った。「お高くとまったところも野心的なところもない、とても自然な人だ」。だが2人の友情が発展することはなかった。「残念なことに、突然連絡が途絶えてしまった」

[2013年2月 5日号掲載]

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

香港紙創業者に懲役20年、国安法裁判 国際社会は強

ワールド

仏中銀総裁、6月に前倒し退任 ECB理事会のハト派

ワールド

イラン原子力長官、ウラン濃縮度引き下げ検討も 制裁

ワールド

英首相、辞任要求にも続投示唆 任命問題で政権基盤揺
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日本をどうしたいのか
  • 4
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    「二度と見せるな」と大炎上...女性の「密着レギンス…
  • 8
    韓国映画『しあわせな選択』 ニューズウィーク日本…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 8
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 9
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中