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W杯開催国決定の地政学的意味

2011年1月11日(火)17時15分
ピーター・タスカ(投資顧問会社アーカスリサーチのアナリスト)

 ウィキリークスにもジレンマがある。アメリカ政府の秘密は暴けても、中国やロシアの秘密は暴けない。政府の透明性と安全保障上の要請の折り合いをどうつけるかという欧米諸国の悩みは、中国やロシアには無縁だ。ロシアにウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジのような人間がいれば間違いなく暗殺されるだろうし、中国はノーベル平和賞受賞者を投獄し、授賞式に参加するなと他国に圧力をかけるような国だ。

 政府が独裁的で社会に不正がはびこっているような国は消え去るのみと、つい最近までは信じられていた。政治学者のフランシス・フクヤマはかつて、資本主義とリベラルな民主主義を兼ね備えた欧米型こそ唯一の持続可能な国家モデルだと論じた。しかし、それは欧米が冷戦の勝利に酔っていた時代の話だ。

 今は違う。問われているのは、新興諸国が欧米の規範を受け入れるか否かではない。欧米が新興諸国の流儀に合わせるべきか否かだ。そうなったら、試合のルールはまったく変わることになる。

[2010年12月22日号掲載]

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