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南アフリカ

ようこそコンドーム大国へ

2011年1月20日(木)10時52分
イバ・スコッチ

 性産業に限るなら、努力は実を結んだようだ。スウェットと国連人口基金の調査によれば、今年のサッカーのワールドカップ南アフリカ大会の期間中、コンドームを使用した売春婦は99%に上った。

 だがそんな彼女たちも政府のコンドームには不満を漏らす。マサウェによれば「粉っぽくて匂いも悪い」と不評のようだ。客のほうも、政府の支給品は「小さ過ぎる」と嫌がるらしい。

 同性愛の男性に無料で医療サービスを提供する団体、ヘルス4メンは独自に作ったコンドーム「プレー・ナイス」を配布。政府の「チョイス」より直径が2〜4ミリ大きく、しゃれたパッケージには「LARGE」と書いてある。ヘルス4メンのグレン・デ・スワルトは「見た目がセクシーじゃないと。うちのは政府の物より使い心地がよくて人気だ」と説明する。

 ヘルス4メンがケープタウンで配るコンドームは、年間約50万個。ゲイでなくとも、クリニックに行けば好きなだけもらえる。「せっかく作ったんだから、ペニスに着けてもらわないと」と、デ・スワルトは言う。

 ただで配るものでも、デザインや使用感まで趣向を凝らす。エイズ禍を食い止めるには手段を選んでなんかいられない。

GlobalPost.com特約

[2010年12月15日号掲載]

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