最新記事

アフリカ

住民投票で分裂するスーダンの希望

民族対立と資源争奪で引き裂かれたスーダン。南部独立の是非を問う投票が国際社会をも揺るがす理由

2010年12月24日(金)12時22分
山田敏弘(本誌記者)

迫害を生きて 自分たちの旗を持ち、北部からの独立を呼び掛ける南スーダン人(南部ジュバ) Benedicte Desrus-Reuters

 今も南北内戦の混乱が続き、俳優ジョージ・クルーニーが国連で平和を呼び掛けた破綻国家スーダン。アラブ系イスラム教徒の多い北部から、アフリカ系キリスト教徒の多い南部が独立できるかどうかを問う住民投票が1月9日に始まる。

 ここ数週間で北部に住む南スーダン人5万人が投票のために帰郷し、内戦で国外に避難した難民も在外投票のため有権者登録を行った。なかでも注目されたのが内戦で孤児になり、自力で国外に逃れた「ロストボーイズ」と呼ばれる南スーダン人だ。

 彼らは受け入れ国となったアメリカやヨーロッパ諸国、オーストラリアやエチオピアで在外投票の有権者登録を呼び掛けた(登録者数は数十万人ともいわれる)。自らの手で票を投じるため、子供の頃に離れた南部に帰る者も少なくない。

 長年迫害されてきた南スーダン人の期待は高まっている。投票が公正に行われれば、南部スーダンは独立国家になる可能性が高い。ただしそれは同時に、この地域に不安定な国家がもう1つ生まれることを意味する。...本文続く

──ここから先は22日発売の『ニューズウィーク日本版』 2010年12月29日/1月5日号をご覧ください。
<デジタル版のご購入はこちら
<iPad版、iPhone版のご購入はこちら
<定期購読のお申し込みはこちら
 または書店、駅売店にてお求めください。

他にも
■アウン・サン・スー・チーからリチャード・ブランソン、コーエン兄弟まで各分野のキーパーソンを直撃したインタビュー特集など、読み応え満点です。
<最新号の目次はこちら

[2010年12月29日号掲載]

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領、兵器提供でモスクワ攻撃可能かゼレンスキー

ビジネス

世界の投資家心理が急回復、2月以来の強気水準=Bo

ワールド

中豪首脳会談、習氏「さらなる関係発展促進」 懸念が

ビジネス

中国GDP、第2四半期は5.2%増に鈍化 底堅さも
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機」に襲撃されたキーウ、大爆発の瞬間を捉えた「衝撃映像」
  • 2
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中にまさかの居眠り...その姿がばっちり撮られた大物セレブとは?
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 5
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 6
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 7
    【クイズ】次のうち、生物学的に「本当に存在する」…
  • 8
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 9
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 10
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中