最新記事

米財政

アメリカ政府債務の意外な貸し手

米国債の最大の保有者は中国でも日本でもない

2015年2月10日(火)17時21分
シムラン・コースラ

過大評価 最大の債権者は中国だと言われるが Kevin Lamarque-Reuters

 オバマ米大統領が先週、4兆ドル規模の予算教書を議会に提出したのを受けて賛否両論が噴出している。

 オバマは中間層への減税を打ち出し、この数年続いてきた「思いやりのない」緊縮政策に終止符を打つと宣言。一方、上下両院で過半数を握る共和党は、歳出の削減と「小さな政府」を訴え、公的債務の削減を優先するよう主張している。

 もっとも、この公的債務、何かと話題になるわりに誤解も多い。アメリカの公的債務残高は現在、18兆ドルあまり。多くのアメリカ人は中国をはじめとする外国がその多くを保有していると思っているが、それは間違いだ。

 アメリカの公的債務残高の3分の2(65.6%)は、アメリカ国内で保有されている(社会保障信託基金が16%、各種政府機関が13%、連邦準備銀行が12%など)。

 国外で保有されているのは、残りの3分の1に当たる6.1兆ドル分のみ。しかも、米財務省が発表している米国債の国別保有残高ランキングには、思わぬ国も名を連ねている。

 1位の中国と2位の日本が、どちらも1兆2500億ドル前後で群を抜いているのは、大方の予想通りだろう。上位10カ国・機関が保有する債権4.4兆ドルのうち57%が中国と日本、残り43%は多い順から、ベルギー、カリブ海の金融センター、産油国、ブラジル、スイス、イギリス、台湾、ルクセンブルクとなっている。
 
 ランキングのさらに下位に目をやると、28位にはカザフスタン(351億ドル)、35位にはベトナム(137億ドル)がランクインしている。これらの国にアメリカが借金をしているなんて、誰が想像しただろう?

From GlobalPost.com特約

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EU首脳、米中との競争にらみ対策協議 競争力維持へ

ビジネス

トランプ政権、対中テック規制を棚上げ 米中首脳会談

ビジネス

仏サノフィ、ハドソンCEOを解任 後任に独メルクの

ビジネス

英GDP、第4四半期は前期比0.1%増 通年は1.
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中