最新記事

ロボット

地味だがすごい...人型ロボ「Atlas」新技披露の映像──重い工具入れをつかみ、高く放り投げる

2023年1月27日(金)18時30分
冨田龍一
Atlas

Boston Dynamicsの人型ロボット「Atlas」 Photo: Boston Dynamics

<重い工具入れを運び高く放り投げる。「これまでの研究成果を糧にした自然な進化を象徴」と開発元は語る>

アメリカのロボットメーカーBoston Dynamicsが開発する人型ロボットの「Atlas」は日々、進化している。

2021年に見事なパルクールを披露した際、その手はまるで「ドラえもん」のような丸い物体だった。だが最近では物を掴めるように、カニのはさみのようなパーツへと改良されたようだ。

Boston Dynamicsは1月、Atlasの最新動画を公開。動画は建設現場という設定で、登場する作業員は工具入れを忘れたことに気づく。そこで活躍するのがAtlasだ。

Atlasはまず、作業員の元へとたどり着けるよう、木の板を持ち上げて足場を作る。そして工具入れを持ち、作業員の下まで移動し、「ほらよ」と言わんばかりに投げ渡す。

その後は大きく重そうな木箱を突き落とし、その上に乗ってから宙返りを披露。作業員からは「なんて目立ちたがり屋なんだ」と言われてしまうが、お見事だ。

【動画】カニみたいな手で工具入れをつかみ放り投げる人型ロボ「Atlas」

Atlasはこれまで、パルクールやダンスといった派手なアクションで人々を魅了してきた。今回公開された動画は地味ではあるものの、実用的かつ「これまでの研究成果を糧にした自然な進化」を象徴すると、Atlasの開発に携わるベン・スティーブンスは語る。

「パルクールやダンスは派手で分かりやすいアクションだった。今回はそうした研究の成果を糧にして、より実用的な作業に挑戦した。大事なのは、ロボットがこうした作業を人間並みのスピードで実行すること。人間はこうした作業が得意だ。そのため制御ソフトウェアの大きなアップデートを要した」

Boston DynamicsはAtlasのほかにも、犬型ロボットの「Spot」や物流ロボットの「Stretch」などを開発している。

ニューズウィーク日本版 非婚化する世界
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月17日号(6月10日発売)は「非婚化する世界」特集。非婚化と少子化の波がアメリカやヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

石破首相「双方の利益になるよう最大限努力」、G7で

ワールド

米中貿易枠組み合意、軍事用レアアース問題が未解決=

ワールド

独仏英、イランに核開発巡る協議を提案 中東の緊張緩

ワールド

イスラエルとイランの応酬続く、トランプ氏「紛争終結
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 2
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波でパニック...中国の輸出規制が直撃する「グローバル自動車産業」
  • 3
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されずに「信頼できない人」を見抜く方法
  • 4
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 5
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 6
    構想40年「コッポラの暴走」と話題沸騰...映画『メガ…
  • 7
    逃げて!背後に写り込む「捕食者の目」...可愛いウサ…
  • 8
    「結婚は人生の終着点」...欧米にも広がる非婚化の波…
  • 9
    4年間SNSをやめて気づいた「心を失う人」と「回復で…
  • 10
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    脳も体も若返る! 医師が教える「老後を元気に生きる…
  • 9
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 10
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中