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COVID-19のすべて

新型コロナの致死率はどのくらい? 後遺症は残る?

2020年7月10日(金)16時55分
國井 修(グローバルファンド〔世界エイズ・結核・マラリア対策基金〕戦略投資効果局長)

ニューズウィーク日本版特別編集ムック「COVID-19のすべて」16ページより

<感染症対策の第一人者、グローバルファンド(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)戦略投資効果局長の國井修氏が答えます。本誌特別編集ムック「COVID-19のすべて」に収録した14の素朴な疑問から>

Q5:新型コロナウイルス感染症はどのくらい怖いですか? 致死率はどのくらいで、回復後に後遺症は残りますか。

A:新型コロナウイルス感染症は、高齢者や癌、高血圧、糖尿病などの基礎疾患を持つ人々に高い致死率を示す。

中国からの報告では、致死率は20代が0.2%に対して80 歳以上では14.8%、持病なし0.9%に対して心血管疾患を持つ人は10.5%と死亡リスクが大きく異なる。

各国から報告された感染者の中の死亡者の割合(致死率)は、0.1%未満のシンガポールから15%以上のベルギーまで大きな開きがあるが、これは死亡統計の取り方、感染爆発や医療崩壊の有無、感染した人口集団などの違いによるものと考えられる。

重症化して回復した人の中には、肺線維症などの後遺症が残り、肺機能が低下したとの報告もあるが、より詳細な研究が必要である。

<本誌特別編集ムック「COVID-19のすべて」より>

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