最新記事

デイジタルネイディブ

10~20代はネットで調べるとき「ググらない」 その理由とは?

2020年3月25日(水)17時30分
望月 智之(いつも.副社長) *東洋経済オンラインからの転載

「時間獲得競争」へ向かう世界の動き

スーパーマーケットも時短の時代だ。今アメリカでは、「カーブサイド・ピックアップ」と呼ばれるサービスが、急速に広がっている。

カーブサイド・ピックアップとは、インターネットで注文した商品を店舗で受け取るというものだ。これまで買い物客がスーパーで買い物をする際には、目当ての商品を見つけるために広い店内を歩き回らなければならなかったが、カーブサイド・ピックアップではその必要はない。商品探しは店舗スタッフが行ってくれる。

具体的には、買い物客は車でスーパーまで行き、ピックアップ専用の駐車場に車を停めて、商品を受け取るだけ。その際に、車から降りる必要もない。店舗スタッフが商品をトランクに積んでくれるからだ。感覚としてはドライブスルーに近いかもしれない。

アメリカの大手スーパーマーケットは、このカーブサイド・ピックアップの導入に積極的だ。小売業最大手のウォルマートは、2019年末時点で、3000店舗以上で食料品のピックアップサービスを展開している。競合のクローガー、ターゲット、ホールフーズも、ピックアップ店舗の拡大を進めており、アメリカの人々にとってはピックアップという買い物文化がとても身近なものになりつつあるのだ。

大規模なスーパーでは、買い物に20分から30分、あるいはそれ以上かかることも珍しくない。店舗が大きいほど店内を回るのに時間がかかるし、レジが混んでいればストレスも高まってしまう。ある調査によると、人々の買い物時間の80%は移動時間であるとも言われている。

一方、カーブサイド・ピックアップなら、前日夜や昼休みにネットで注文を済ませておけば、買い物にかかる時間が丸ごと短縮される。スーパーでの買い物の時間は、夕食前など忙しい時間帯であることが多いので、その時間が短縮され、ストレスも軽減されるメリットは大きいだろう。

ウォルマートは「ほかのスーパーよりも短い時間で買い物ができる」という価値を消費者に提供している。まさにネットを活用し、今まで当たり前だった買い物にかかる時間を短縮した好事例と言える。

中国の「ラッキンコーヒー」がスタバを超えた日

世界的コーヒーチェーンといえば、誰もがスターバックスコーヒーを思い浮かべるところだろうが、そのスターバックスを脅かす存在が現れた。コーヒーの消費量が増えている中国では、スターバックスではなく、新興勢力のラッキンコーヒー(luckin coffee=瑞幸珈琲)を選ぶ消費者が増えているのだ。

ラッキンコーヒーは、2018年1月に北京に1号店をオープンした後、爆発的なスピードで店舗数を増やしている。1号店のオープンからわずか1年で店舗数は2000を超え、2019年末時点では4507店舗に達した。これは1999年に同国に進出したスターバックスの中国国内店舗数を上回っている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米製薬メルク、肺疾患治療薬の英ベローナを買収 10

ワールド

トランプ氏のモスクワ爆撃発言報道、ロシア大統領府「

ワールド

ロシアが無人機728機でウクライナ攻撃、米の兵器追

ワールド

PKK指導者、対トルコ武装闘争終結宣言 拘束以来初
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中