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魚のフンで野菜が育つ?...「未来型農業」アクアポニックスとは何か、工場の排ガスも活用可能

FARMING, REIMAGINED

2025年9月4日(木)16時20分
写真:殿村誠士 文:酒井理恵
ふじさわアクポニビレッジのタワー型栽培設備

独自開発のタワー型の栽培設備で狭いスペースを最大限活用 SEIJI TONOMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

<この農法を知れば「環境に優しい」とはどういうことか自ずとわかる──循環型社会の実現に向けて注目されるアクアポニックスとは一体どんな農法なのか>

1つの水槽から、魚と野菜の2つの命が育つ。これまで別々に行われてきた水産養殖と水耕栽培を融合させた未来型の農業、それがアクアポニックスだ。

一般的に、生餌や魚粉といった養殖魚の飼料は魚体への吸収率が低く、未吸収の栄養素は水中に流出する。水を換える際、そのまま廃棄すると環境負荷が高くなり、未活用の養分も、もったいない。


対してアクアポニックス農法では、魚の水槽から流れ出た水に含まれるフンと養分を微生物が分解することで、植物にとって栄養豊富な水が野菜プランターへと流れる。野菜は養分を吸収し、浄化された水が再び水槽へ戻る、という仕組みだ。

ふじさわアクポニビレッジで飼育されているチョウザメ

野菜プランターの真下の水槽でチョウザメを飼育

水の循環が栄養の循環を支え、その両輪が水質の浄化にも貢献する──環境と共存する持続可能な農業の姿である。

日本におけるアクアポニックスのパイオニア、アクポニの代表取締役、濱田健吾は「大切なのは『全体最適』。この農法に触れると、誰もが環境に優しいとはどういうことか、考えられるようになる」と、高さ2メートルほどの栽培設備が立ち並ぶ神奈川県の自社農園を案内しながら語った。

アクアポニックスは1970年代からアメリカで発展したが、日本ではほとんど知られていなかった。この農法に注目した濱田は2014年に起業し、まずは海外の論文を翻訳、毎日ブログで情報発信することから始めた。

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