ウクライナ戦争の被害は「意外なところ」にも...貴重な「赤い海藻」をロシアの侵攻から守れ
Saving Ukraine’s Seaweed
その後96年にフィロフォラが絶滅危惧種に指定され、2008年と12年に2つの藻場が保護区になると、生態系は息を吹き返した。
汚染物質を食べる海藻
だが「22年に状況は一変した」と、ウクライナ国立学士院(NAS)海洋生物研究所のガリーナ・ミニチェバ(Galyna Minicheva)所長は嘆く。ロシアが港を封鎖し海に浮遊機雷をまいたため、藻場には近づけなくなった。
ミニチェバによれば、研究者は今「遠隔技術を駆使し情報を得ている」。例えば沈没した軍艦や戦闘機の油膜を衛星画像を使って追跡し、生態系への影響を査定するのだ。
昨年6月にはロシアの爆撃でカホフカ・ダムが決壊し、汚染された淡水が海になだれ込んだ。「危機的状況だった」と、ミニチェバは振り返る。
しかし数カ月後、衛星画像が希望を映し出した。汚染物質を餌にする海藻が藻場で育ち始めたのだ。ミニチェバはこれを「生態系を出発点に戻す自然の摂理」とたたえる。
一方、NASの海洋生物学者ソフィア・サドグルスカ(Sofia Sadogurska)はフィロフォラの藻場を「エメラルド・ネットワーク(Emerald Network)」に登録しようと働きかけている。
エメラルド・ネットワークとは欧州をカバーする非EU加盟国の自然保護区連絡網。「占領と戦闘で近づけない地域は多いが、占領地でも保護区の制定は要請できる」と、サドグルスカは考える。
ウクライナがEUに加盟すれば、このネットワークに登録された国内の保護区はEUの自然保護区連絡網「ナチュラ2000」に組み込まれる。そうなれば環境保全の資金も増えるだろう。
「できることはたくさんある」と、サドグルスカは言う。
This article by The Revelator (https://therevelator.org) is published here as part of the global journalism collaboration Covering Climate Now.

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