最新記事
SDGsパートナー

脱プラスチックに向けて、高品質な代替品を提供...「紙」を起点にSXの推進に取り組むエステックの信念

2024年10月24日(木)11時00分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室 ブランドストーリー

企業と社会、環境の持続性を並立させて、よりよい未来に貢献したい

newsweekjp20241022093123-b778673ce90d660cad3015494c8abdeb3295f654.jpg

紙100%で、日本国内自社工場にて梱包、印刷

エステックでは、紙製歯ブラシのほかにも紙製コームや紙製靴べら、紙製スプーン・フォーク・ナイフなどの開発を行っているが、紙製品の実用化までには乗り越えるべき課題が2つあったという。

まず1つめは、紙製品にプラスチック製品と同等の耐久性を持たせるための技術的な課題だ。これについては、材料やプレス加工時の圧力などを細かく研究し、試作を重ねることで「水に弱い」という弱点を克服。3〜4回の使用に耐えうる強度を実現した。

2つめの課題は市場受容性、つまり消費者がプラスチック製品から紙製品へと移行する際の心理的障壁だ。同社はこの課題をクリアするため、宿泊施設や空港、ゴルフ場、レジャー施設などに紙製品の導入を提案。

「脱プラスチック」を掲げていたJALグループとパートナーシップを結び、羽田空港、成田空港のJALラウンジに紙製歯ブラシを置くことで、環境メリットや使用感、機能性のアピールに成功している。

こうした取り組みについて、大村氏は「認知を広げるよい機会になった」と振り返るが、実は他企業と連携した背景には、別の狙いもあったと話す。

「製品を提供するにあたっては、パートナーとなる企業のSX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)を支援し、ともに持続可能な未来を築いていきたいという強い思いがありました。それが自社を含めた、社会全体の豊かな発展につながると考えているからです」(大村氏)

企業と社会の持続性、そして環境の持続性を並立させ、よりよい未来に貢献したい----。その信念は、環境意識の高い企業や施設の共感を呼び、現在は下田蓮台寺温泉 清流荘、ホテル・モクシー東京錦糸町といった宿泊施設でも、紙製アメニティの導入が始まっている。

2025年以降は、北米とヨーロッパに販売拠点を設立し、さらなる技術革新と市場の拡大を目指すというが、それらの地域でも「脱プラスチック」は喫緊の課題。環境負荷の軽減を迫られる他国の企業にとっても、エステックは心強いパートナーになるはずだ。

ニューズウィーク日本版 健康長寿の筋トレ入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年9月2日号(8月26日発売)は「健康長寿の筋トレ入門」特集。なかやまきんに君直伝レッスン/1日5分のエキセントリック運動

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

北海ブレント、26年終盤に50ドル前半に下落へ=ゴ

ワールド

カナダ・グースに非公開化提案、評価額約14億ドル=

ワールド

トランプ米政権、洋上風力発電見直しで省庁連携

ワールド

AI企業アンスロピック、著作権侵害巡る米作家の集団
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:健康長寿の筋トレ入門
特集:健康長寿の筋トレ入門
2025年9月 2日号(8/26発売)

「何歳から始めても遅すぎることはない」――長寿時代の今こそ筋力の大切さを見直す時

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 2
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット民が「塩素かぶれ」じゃないと見抜いたワケ
  • 3
    脳をハイジャックする「10の超加工食品」とは?...罪悪感も中毒も断ち切る「2つの習慣」
  • 4
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 5
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 6
    「美しく、恐ろしい...」アメリカを襲った大型ハリケ…
  • 7
    イタリアの「オーバーツーリズム」が止まらない...草…
  • 8
    「ありがとう」は、なぜ便利な日本語なのか?...「言…
  • 9
    【クイズ】1位はアメリカ...稼働中の「原子力発電所…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 2
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ女性が目にした光景が「酷すぎる」とSNS震撼、大論争に
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 5
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 6
    中国で「妊娠ロボット」発売か――妊娠期間も含め「自…
  • 7
    皮膚の内側に虫がいるの? 投稿された「奇妙な斑点」…
  • 8
    なぜ筋トレは「自重トレーニング」一択なのか?...筋…
  • 9
    飛行機内で隣の客が「最悪」のマナー違反、「体を密…
  • 10
    20代で「統合失調症」と診断された女性...「自分は精…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 7
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中