<2023年には第11回技術経営イノベーション大賞「内閣総理大臣賞」を受賞。革新的新素材「COVEROSS(カバロス)」の正体とは?>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

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hap株式会社は繊維・アパレル業界の課題解決に貢献する取り組みとして、同社が「環境配慮快適多機能素材」とうたう「COVEROSS(カバロス)」を開発する。生地や衣服に多機能を付与(除去も可能)するカバロスの技術は、国内外で高く評価されている。

「30以上の機能」を複合的に付与可能

繊維・アパレル産業は、石油業界に次いで環境負荷が高い産業と言われている。衣服の製造から販売までには、原料の生産や紡績、染色、裁断など多数の工程があり、大量の水を消費するうえ、CO2排出量も多く、流行の変化が激しい現代では衣服の廃棄量も増加しているからだ。

こうした背景もあり、アパレル業界ではサーキュラーエコノミー(循環経済)関連の取り組みを実施する企業が脚光を浴びている。hap株式会社もその一つだ。

サーキュラーエコノミーとは、廃棄物や汚染など負の外部性が発生しない製品・サービスの設計を行い、原材料や製品はその価値をできる限り高く保ったまま循環させ続ける経済活動を指す。

hapが行っているのは、同社が「環境配慮快適多機能素材」とうたう「COVEROSS(カバロス)」を活用した取り組みだ。「カバロス」は、撥水性や吸水性など複数の機能を生地にプリントする後加工技術。2013年に開発を開始し、現在では30以上の機能を複合的に生地や製品、古着などへ付与することができる(除去も可能)。

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「COVEROSS」が実現する30以上の機能

hap代表取締役社長の鈴木素氏は「製造工程における水やエネルギーの使用量を50%抑えた光触媒技術をベースとした『カバロスウィザード』や、産学共同研究を続けている導電性繊維との融合により、センシングウェアや温度調整可能なスマートウェアなども開発してきました」と話す。

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開発の原点は「海外のアパレル産業への疑問」