最新記事
SDGsパートナー

障がいを持つ芸術家たちに、作品発表の場を...三井不動産ホテルマネジメントの企画展が持つ力

2023年9月29日(金)16時15分
ニューズウィーク日本版編集部SDGs室
ロビーを「パラアート」の展示会場にした三井ガーデンホテル銀座プレミア

ロビーを「パラアート」の展示会場にした三井ガーデンホテル銀座プレミア(2023年5月)

<「パラアート」に触れる場を多くの人々に提供するのと同時に、パラアーティストの自立や創作活動の持続可能性を支援する>

世界を変えるには、ニュースになるような大規模なプロジェクトや製品だけでは不十分。日本企業のたとえ小さなSDGsであっても、それが広く伝われば、共感を生み、新たなアイデアにつながり、社会課題の解決に近づいていく──。この考えのもと、ニューズウィーク日本版はこの春、「SDGsアワード」を立ち上げました。その一環として、日本企業によるSDGsの取り組みを積極的に情報発信していきます。

◇ ◇ ◇


日本全国で数十軒のホテルを運営する株式会社三井不動産ホテルマネジメントは、自社の資産であり強みである全国的なネットワークをいかし、まだ日本では認知度の低い「パラアート」を支援する取り組みを実施。多くの人々がこうした作品に接する機会を創出すべく、自社のホテルを使った企画展を各地で開催している。

パラアートに触れる機会を提供し、パラアーティストの自立を支援

障がいのある人の手によって制作された芸術作品「パラアート」は、その芸術的価値の高さや、パラアーティストへの理解を深め、共生社会の実現に貢献するものとして、昨今注目を集めている。だが、日本では作品発表や鑑賞の機会はまだまだ少なく、海外に比べて認知度が低いのが現状だ。

そうした実態を社会的な課題と考えた株式会社三井不動産ホテルマネジメントは、2021年からパラアートの展示・販売を行う企画展を開始した。自社が運営するホテルのロビーを会場とし、宿泊者に限らず、誰もが無料で自由に入場することができるイベントとなっている。

「全国にホテルを展開する当社の強みを活かして、日本各地で活躍するパラアーティストの才能を地域資源として発掘・発信し、『パラアートに触れる機会』を提供しようと考えました」と、この企画展を実施する同社サスティナビリティ推進室 村田理史氏は語る。

展示作品の販売代金はすべて作者に還元しており、パラアーティストの自立や創作活動の持続可能性を支援することにも繋がっている。

2021年の三井ガーデンホテル銀座プレミアでの第1回展以来、全国各地で開催されており、2022年の来場者数は4会場で2万2,000人に達するなど、着実に認知度と人気を伸ばしている状況だ。2023年度中には、累計実施回数が10回になる見込みとなっている。

がん検診
がんの早期発見を阻む「金額の壁」を取り払う──相互扶助の仕組みで「医療格差の是正」へ
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、習氏と会談の用意 中国「混乱の元凶」望

ワールド

ロシアとサウジ、OPECプラス協調「双方の利益」 

ワールド

維新、連立視野に自民と政策協議へ まとまれば高市氏

ワールド

ゼレンスキー氏、オデーサの新市長任命 前市長は国籍
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 6
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 10
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中