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なぜ人は「推し」を必要とするのか?......流行の裏にある心の科学

2026年1月28日(水)13時40分
鈴木 亜佐子 (スタンフォード大学認定コンパッションアンバサダー*東洋経済オンラインからの転載)

たとえば、「怒っている」ではなく、「悔しい」「無視されたようで悲しい」「期待していたからがっかりした」など、感情をより具体的に言語化することで、脳は安心し、ストレスのレベルが下がると報告されています。

心理学者ダニエル・シーゲルはこの方法を「Name it to tame it(名前をつけることで、感情を手なづける)」と表現しています。紙に書いてみたり、スマホにメモしてみたり、信頼できる人に話すだけでもOK。 大切なのは、自分の感情に「気づき」「言葉を与える」ことです。


泣ける映画で「心をデトックス」

心を動かされる映画を観て、自然と涙があふれてきた―そんな経験はありませんか? 私たちの社会では「泣くこと=弱さ」と思われがちですが、実は涙には脳と心を回復させる力があるのです。

私は、20年ほど前にアメリカ・セドナを取材で訪れた際、先住民の酋長にこう言われたことがあります。

「現代人は、心の汗をかかなくなっている」

悲しいとき、嬉しいとき、感動したとき、その涙は、心を浄化し、命のバランスを整える大切なプロセスなのだと、彼は静かに語ってくれました。実際、「感動による涙」にはストレスを軽減する効果があることが、学術研究でも報告されています。

山口県立大学の研究では、「玉ねぎを刻んで涙を流すグループ」と「泣ける動画を観て涙を流すグループ」の比較が行われました。どちらも同じくらいの涙を流しましたが、感動による涙を流した人々のほうが、心拍数が落ち着き、ストレス指標が有意に改善されていたのです。

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