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老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質「AGEs(エージス)」とは何か?

2026年1月22日(木)11時40分
米井嘉一 (同志社大学教授)

たとえば、「ご飯や麺類は糖質が多いので主食は食べない」というのはその代表例。確かに、糖質のとり過ぎはよくありませんが、炭水化物は不可欠です。

また、「ホットケーキや唐揚げのように、こんがりきつね色に火の通ったものはAGEsが多いから食べないほうがいい」というのも誤りです。


食品に含まれるAGEsは体内で悪さをできないので、食べても大丈夫なのです。問題は、体内の細胞やホルモンなど体を構成しているタンパク質と、食事からとった糖質とがくっついて発生するAGEsです。

このように、誤った説がまことしやかに語られ、糖化ストレス対策をしているつもりが、食べたいものを我慢するだけになっていたり、むしろ老化を促進する結果になってしまっている人も少なくありません。

アンチエイジング医学を専門とし糖化ストレスについての研究を重ねてきた私は、糖化ストレスについての正しい知識を多くの方に知ってもらいたいと考え、これまで糖化ストレス研究会のほかのメンバーとともに、自治体に協力を仰ぐなどいろいろと活動をしてきました。

しかし、酸化ストレスに比べて糖化ストレスについての研究は歴史が浅く、まだわかっていないこともあります。そのためか、医療従事者でさえ正しい知識を持っていない人が多くいます。

たとえば、食品の中のAGEsは単独ではさほど悪さをできませんが、「アルデヒド」という物質が体のタンパク質にくっつくことで、極悪化したAGEsになることが糖化ストレスなのです。ですから、真に警戒すべきはアルデヒドです。

また、不思議に思われるかもしれませんが、脂質も糖化ストレスをもたらします。つまり、「糖と脂のダブルパンチ」によって糖化ストレスは引き起こされるのです。ですから、脂質制限も考えなくてはいけません。


米井嘉一(よねいよしかず)
1958年、東京都に生まれる。同志社大学教授。2005年、日本初の抗加齢医学の研究講座、同志社大学生命医科学部アンチエイジングリサーチセンター/糖化ストレス研究センター教授。日本抗加齢医学会理事、糖化ストレス研究会理事長。公益財団法人医食同源生薬研究財団代表理事。抗加齢医学研究の第一人者として、研究・臨床に従事。近年の研究テーマは「老化の危険因子と糖化ストレス」。著書に『糖と脂で体は壊れる 疲労、病気、老化の原因「糖化」の正体』(池田書店)など、多数。


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