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「早死リスク」を20%下げる食事が明らかに...健康寿命を延ばすカギは「フラボノイドの多様性」にあった【最新研究】

Foods That May Lower Risk of Early Death Revealed

2025年6月8日(日)08時45分
メリッサ・フルール・アフシャー

フラボノイドにはさまざまな健康効果があることはすでに広く知られており、紅茶、ブルーベリー、イチゴ、オレンジ、リンゴ、ブドウ、ダークチョコレートなどが、フラボノイドが豊富な食品として挙げられる。

パーメンター研究員は、フラボノイドの総量よりも多様性の方が重要であると強調する。同じ量を摂取していた人の中でも、より多くの種類からフラボノイドを取り入れていた人々は、各種疾患のリスクがさらに低かったという。


 

つまり、摂取量をお茶だけでまかなうのではなく、さまざまなフラボノイドを含む食品をバランスよく摂取することが望ましいということだ。

なお、フラボノイドの健康効果については明らかになりつつあるが、より多くの種類のフラボノイドを摂取することによって高い予防効果を得られるというメカニズムについては、まだ研究段階にある。

それでも今回の研究データは、特定の「スーパーフード」に頼るのではなく、特にフラボノイドを多く含む食品を中心とした多様な食生活こそが、慢性疾患のリスクを効果的に下げる手段になり得ることを示唆している。

ヒトの行動科学研究者で長寿研究の専門家でもあるマーク・コヴァックス博士も、フラボノイドが健康維持に不可欠だという見解を示し、ベリー類は慢性疾患リスクを抑える上で最も優れた食品の1つだと本誌に語る。

ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリーには、フラボノイドの一種であるポリフェノールが豊富に含まれている。コヴァックス博士は次のように述べる。

「ベリーは脳の健康を支え、酸化ストレスを軽減し、生物学的老化の進行を遅らせる可能性があります」


【参考文献】
Parmenter, B., Thompson, A. S., Bondonno, N. P., Jennings, A., Murray, K., Perez, Cornago, A., Hodgson, J. M., Tresserra-Rimbau, A., Kuhn, T., Cassidy, A. (2025). High diversity of dietary flavonoid intake is associated with a lower risk of all-cause mortality and major chronic illness. Nature Food.

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