AI投資加速でハイパースケーラー債発行拡大へ、アマゾン大型起債が追い風
アナリストらは、巨大クラウド基盤(ハイパースケーラー)大手5社がデータセンター・インフラの構築を競う中、今年の社債発行額がさらに拡大すると予測している。写真は2023年5月撮影(2026年 ロイター/Dado Ruvic)
Matt Tracy
[ワシントン 17日 ロイター] - アナリストらは、巨大クラウド基盤(ハイパースケーラー)大手5社がデータセンター・インフラの構築を競う中、今年の社債発行額がさらに拡大すると予測している。
先週、米アマゾン・ドット・コムが投資適格債として過去最大級となる計約540億ドルの社債発行を実施したことを受けた。
AIの学習や展開を支える膨大なデータセンターなどのインフラを運営するハイパースケーラー各社は、AIブームを支えるために必要なデータセンター資金を確保するため、債務による資金調達を強化している。
アマゾンの案件を主導したJPモルガンの投資適格債資本市場部門共同責任者、ジョン・サービデア氏は「このセクターでは、引き続き多額の資本調達が見込まれる」と指摘。「各社が公表している設備投資予算であれ、各銀行によるハイパースケーラーの発行額予測であれ、それらを総合すれば、ある時点でさらなる発行があるというのが現実的な予測だろう」と述べた。
BofAグローバル・リサーチのアナリストは13日、ハイパースケーラーによる2026年の新規社債発行額の予想を、従来の1400億ドルから1750億ドルに引き上げた。
バークレイズのアナリストも2月初旬、26年の米投資適格社債の発行総額が2兆ドルを超える可能性があるとの見通しを示した。これは「コロナ禍後の2020年に記録した過去最高水準さえも上回る」という。
BofAセキュリティーズの1月の報告書によると、主要なAIハイパースケーラー5社(アマゾン、アルファベット傘下のグーグル、メタ、マイクロソフト、オラクル)による昨年の米社債発行額は1210億ドルに達した。20年から24年の年平均である280億ドルを大幅に上回っている。
MUFGのアナリストが12月にまとめた報告書によると、25年の米投資適格社債の発行規模トップ5のうち、4件をハイパースケーラーが占めた。その大半は下半期に実施されている。
具体的には、オラクルが9月に180億ドルの社債を販売。これに続き、10月にはメタが300億ドル、11月にはアルファベットが175億ドル、アマゾンが150億ドルの調達をそれぞれ実施した。
今年は2月にアルファベットが、極めて異例な100年物の「センチュリー・ボンド」を含む計315.1億ドルのグローバル債を発行した。
直近では、アマゾンが3月10日に米社債市場で計11本、約370億ドルを調達。翌日には145億ユーロ(約168億ドル)のユーロ建て債を発行した。アマゾンの社債販売には発行額の4倍近い需要が集まっており、ハイパースケーラー債に対する投資家の強い意欲を裏付けている。
米国・イスラエルとイランの紛争激化を受け、起債市場では閑散とした日があったものの、市場関係者は、ハイパースケーラーによる資金調達拡大が、米社債全体の発行額を過去最高水準へと押し上げる流れを維持するとみている。
DWSの米州債券部門責任者、ジョージ・カトランボーン氏は「資本市場は現在、非常に良好な環境にあり、まだ上半期でもある」と述べた。





