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「自分が正しいと思いたいのは、あなたの自惚れでは?」...反論できないニーチェの指摘【3分だけ哲学】

2025年5月12日(月)16時30分
富増章成
鷲の顔

「神は死んだ」で、有名なニーチェ(画像はイメージです): Anrita1705_pixabay

<弱者は「善」なのか? 弱者にはルサンチマン(怨恨)がある、など、身も蓋もないことを色々指摘して、孤独に死んだニーチェ>

哲学を知らない人は損をしている。哲学は人生論などではなく、最強かつ万能のリベラルアーツだからだ。政治、経済、芸術、宗教、言語、自然科学、歴史、心理学など、哲学とは「いまあるあらゆる知識を分析する学問」だ。1日たった3分でおさえておきたい哲学を俯瞰する『この世界を生きる哲学大全』(CEメディアハウス)より紹介する。

◇ ◇ ◇


フリードリヒ・ニーチェ(1844〜1900年): ドイツの哲学者、古典文献学者。24 歳でスイスのバーゼル大学教授。1879 年、大学を辞職。10 年の思索活動を経て、1889 年発狂。ワイマールで没。主著『悲劇の誕生』『反時代的考察』『ツァラトゥストラはこう語った』。

ニーチェの凄さ:過去の哲学のちゃぶ台返しをやってのけた

ニーチェの哲学といえば、ポジティブな哲学という印象を受けます。ニーチェはもちろん、その思想的側面も役立つのですが、哲学史的には、過去の哲学を全部ひっくり返してしまったところに意味があります。

ニーチェの思想を一言で説明すると、「真実とは、自分が信じたいことを真実と思っているだけ」ということ。元も子もありません。この思想で考えると、プラトンのイデア論はアウトです。イデアを信じたい人がそれを真理と言っているだけ。なぜなら、現実が苦しいから現実を越えた世界を求めるからだ、ということになります。

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