最新記事
健康

朝1杯の「バターコーヒー」だけで空腹感が満たされる理由...「バイオハッキング」とは何か?

2025年4月9日(水)08時25分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)

ケトン体は血流に乗って筋肉細胞その他の組織に運ばれる。体が脂肪を主要な燃料源にしている状態をケトーシスと呼ぶ。ケトン体はエネルギーを生み出すだけでなく、感覚を鋭敏にもさせる。

サッチンの研究によると、ケトン体は小型の警報ベルのような働きをし、サーカディアン・リズム(体内時計)を調整する脳細胞を目覚めさせ、活動的な覚醒状態に切り替えるよう体に指示を出すことを突きとめた(*1)。


 

ファスティングによってケトン体がわずかに上昇すれば体にエネルギーがみなぎってくるが、それはおそらく僕らが狩りを首尾よくやれるように進化したからだろう。祖先からの進化の贈り物というわけだ。ケトーシス状態になれば、その豊富なエネルギーを思いのままに活かすことができる。

「断食を破る(break fast)」朝にケトン体を上昇させて、何時間もエネルギーのスイッチをオンにし続けよう。

「C8 MCTオイル」は体内でケトン体に変換されやすく、カナダの研究者の分析によると、コーヒーにはカフェインが含まれているのでケトン体が倍に増える(*2 )。

ケトン体濃度の上昇はコレシストキニン(CCK/満腹ホルモン)の生成を促し、胃や小腸で分泌されてトラブルを引き起こすグレリンというホルモンの生成を抑制する。

生物学者はグレリンを「空腹ホルモン」と呼ぶ。食べたい欲求をかき立て、食欲の調節を担う脳の視床下部を活性化させるからだ。これは、さまざまな形式の断続的ファスティングに共通する相乗的な多くのメリットのひとつである。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア、イラン・イスラエル仲介用意 ウラン保管も=

ワールド

イラン核施設、新たな被害なし IAEA事務局長が報

ビジネス

インド貿易赤字、5月は縮小 輸入が減少

ワールド

イラン、NPT脱退法案を国会で準備中 決定はまだ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 6
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 7
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 8
    メーガン妃とキャサリン妃は「2人で泣き崩れていた」…
  • 9
    さらばグレタよ...ガザ支援船の活動家、ガザに辿り着…
  • 10
    ハルキウに「ドローン」「ミサイル」「爆弾」の一斉…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 3
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタらが乗ったガザ支援船をイスラエルが拿捕
  • 4
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 5
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    今こそ「古典的な」ディズニープリンセスに戻るべき…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 10
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中