健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
Keep That Muscle!
ロサンゼルスにあるシーダーズ・サイナイ医療センターの心臓専門医サム・セタレも、筋肉量に気を配ることは糖尿病の予防に欠かせないと語る。
「筋肉量が少ないと糖尿病予備軍になるリスクが高まる可能性がある」と、セタレは本誌に語った。「筋肉組織はブドウ糖の取り込みと貯蔵の主な担い手であり、ブドウ糖の代謝において重要な役割を果たしている」
つまり筋肉量が少ないということは、ブドウ糖を取り込む組織が少ないということになる。そうなると血糖値の上昇につながるから、糖尿病予備軍になるリスクも高くなってしまう。
代謝コントロールのカギとして筋肉量に注目が
「これまで糖尿病の予防については、体重管理や健康的な食事、糖分の摂取を減らすことに重点を置いた指導が行われてきた。体重──特に内臓脂肪が多いと、インスリン抵抗性が高まるからだ」と、セタレは言う。「しかし最近の研究では、代謝コントロールのカギとして筋肉量が注目されている」
「体重が減るかどうかとは関係なく、筋トレはインスリン感受性の改善に役立つ。つまり、筋肉増強は糖尿病予防の重要な要素だ」
ちなみにフィギュラはコロナ禍の折、ソーシャルメディアにはびこる医学分野のデマを目の当たりにし、医師の立場から正しい情報発信をしようと考えた。「病院で1日に診ることのできる患者の数は限られているが、ネットなら動画1本でたくさんの人に働きかけて知識を広げられる」と、フィギュラは言う。
「もっと多くの医療関係者がインターネットで世間の人々の教育に当たるべきだと思う。これはわれわれの責務だ」

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