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「カロリーゼロ」が脳を混乱させる可能性...研究者が警鐘【最新研究】

America's Favorite Sweetener May Have Hidden Cost, Scientists Warn

2025年4月7日(月)09時25分
ルーシー・ノタラントニオ

「スクラロースは甘味を感じさせる一方で、その甘さから期待されるカロリーが供給されないため、脳を混乱させる可能性があります。体が感じた甘さのカロリーを得られない場合、脳がそういった物質を求めるように変化する可能性があります」

75人の被験者は3回のセッションで、水、砂糖入り飲料、スクラロース入り飲料のいずれかを摂取し、脳スキャン、血液検査、空腹感の評価が行われた。


 

スクラロースが視床下部の活動を増加させ、特に肥満の参加者では空腹感の増加が確認された。水と比較しても視床下部の活動は活発になったが、空腹感自体には大きな変化がなかった。

また、脳スキャンの結果、スクラロースは視床下部と、動機づけや意思決定に関与する脳領域とのつながりを強化することが示され、これは食欲や食行動に影響を与える可能性がある。

一方で、スクラロースが血糖値を上昇させたり、食欲を抑えるインスリンやGLP-1(ジーエルピーワン/グルカゴン様ペプチド-1)のようなホルモンを活性化させることはなかった。

ペイジ准教授は次のように説明する。

「これらのホルモンは、摂取カロリーを脳に知らせ、空腹感を抑える役割を持っています。しかし、スクラロースにはその効果がなく、ホルモン反応の違いは特に肥満の被験者で顕著でした」

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