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スイスで「駅弁」が完売! 欧州で日常になった日本食、770円「似て非なる」おにぎりも

2025年3月10日(月)10時40分
岩澤里美(スイス在住ジャーナリスト)
チューリヒ中央駅の駅弁屋

チューリヒ中央駅の期間限定の駅弁屋(筆者撮影)

<欧州全域で日常化する日本食は食文化に溶け込んでいる一方、本来の姿から変容するものも>

ヨーロッパではひと昔前までは日本食といえば高級料理が多かったが、今では、弁当やおにぎりをはじめとするファストフード的なものとしても浸透している。現地のスーパーは日本食のレシピをオンラインで掲載しており、自分で作る人も増えている様子だ。

スイスで連日売り切れ、日本発の「駅弁」

2月、スイスの最大都市チューリヒの中央駅で3週間にわたる日本発の駅弁販売が開催された(日本で冷凍保存し輸送した白飯と、現地で調達した食材を使用)。駅弁は、仏パリのリヨン駅にて、2016年春から2022年春まで期間限定で数回販売されたことがあるが、スイスでは初めての試みだった。「6種類1日各30食のみ販売」と聞き、十分買えるだろうと思ったが、筆者の考えは甘かった。


 

オープンしてしばらくは混むと思い、2週間経った日の12時に行ってみたら完売。ガラスの自動ドアは閉まっており、開業閉店状態だった。店には次々と人が来て、みな残念そうな面持ちで去って行く。すると、ご主人と一緒に日本に初めて観光旅行してきたばかりという30代くらいの女性(スイス在住)が話しかけてきた。

「今まで旅行した国の中でも日本は最高でした。食べたものは全部おいしくて、ここの駅弁のことを聞いて、是非欲しいと思ったのですが。残念です。2度目の日本は、来年の予定です」とのことだった。完売はこの日に限ったことではなく、別の日に行った友人も「買えなかった」と残念がっていた。

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