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便秘が「大腸がんリスク」であるとは、実は証明されていなかった...もっと心配すべき「フレイル」とは何か?【最新研究】

2025年2月11日(火)09時00分
内藤裕二(京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授)

米国の地域在住60歳以上4231人を対象に慢性便秘症とフレイルとの相関を横断研究により解析した結果、フレイルと排便回数(慢性便秘および下痢)との間には負の関連性が観察され、排便頻度が週に約10回の高齢者が最もフレイルでないことが示されました[*4]。

また、総合診療ユニットに入院したすべての成人患者(556人)を含む前向き研究を実施した結果でも、便秘有病率は55.6%と通常より高いこと、便秘患者の多くが高齢で、フレイルスコアが高いことが報告されています。


 

どうやら、便秘症状の出現はフレイルのリスク要因になりそうです。たかが便秘、されど便秘、なのです[*5]。日本の研究でも、「サルコペニア」「フレイル」の人には高頻度で便秘が見られるという報告があるようです[*6]。

便秘の人では、認知機能の低下が加速──腸内細菌との関連はまだ不明

2022年には、東北大学加齢医学研究所の中瀬泰然准教授らが、アルツハイマー型認知症や軽度認知障害(MCI)の患者で便秘がある人は、認知機能の低下速度が速いという報告をしています[*7]。

なぜ認知症が関連するのかと思うかもしれませんが、本書6章で紹介した通り、脳と腸は、「脳腸相関」あるいは「脳腸軸」という言葉が示すように、相互関係があると指摘されています。


【参考文献】



内藤裕二(Yuji Naito)
京都府立医科大学大学院医学研究科 生体免疫栄養学講座 教授
京都府立医科大学卒業。米国ルイジアナ州立大学医学部分子細胞生理学教室客員教授、京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学教室准教授、および同附属病院内視鏡・超音波診療部部長などを経て、2021年4月より現職。腸内細菌学、抗加齢医学、消化器病学を専門とする。2023年、胃腸の機能低下と病気のリスクとの関連について研究する「日本ガットフレイル会議」を発足。医師向けの『すべての臨床医が知っておきたい腸内細菌叢』(羊土社)のほか、一般向けの著書多数。


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