なぜ「大腸がん」が若年層で増加しているのか...「健康食品」もリスク要因に【研究者に聞く】
A Rising Colon Cancer Risk
「健康食品」にもリスク
超加工食品を大量に摂取すると、大腸癌や乳癌、膵臓癌のリスクが高まることは既に知られている。超加工食品と聞くと、ファストフードや炭酸飲料がすぐに思い浮かぶかもしれないが、プロテインバーやグラノーラなど「健康食品」とされる商品も含まれることに注意が必要だ。
アメリカ人の食生活には野菜や果物が少ない。主食は精製穀物で、揚げ物やベーコンなどの脂質の高いタンパク源と、砂糖や脂肪やナトリウムを多く含む超加工食品を、水ではなく甘い飲み物で体内に流し込んでいる。
「食物繊維は大腸癌のリスクを低下させることが分かっているが、典型的なアメリカ人の食生活は食物繊維が少ない」と、エール大学医科大学院のアン・モンジュー助教は語る。「アメリカ人は赤身肉や加工食品など、癌のリスクを高める食品も大好きだ」
こうした食事は、肥満や代謝異常を悪化させる傾向があると、モンジューは警告する。
「すると体内環境が変わり、脂肪細胞から分泌されるレプチン(食欲を抑制するホルモン)やアディポネクチン(生理活性物質)が過度に増えて、慢性炎症や癌細胞の成長を引き起こす」
スペクターは果物や野菜や全粒穀物など繊維質の高い食品と、ナッツ類や魚に含まれる健康的な脂質の重要性を強調する。「大腸癌を防ぐためには、体に悪い食べ物を避けるだけでなく、体に良い食品を倍増させる努力が重要だ」