最新記事
健康

「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

2024年4月24日(水)15時02分
北條 元治(医学博士)*PRESIDENT Onlineからの転載

【やはり「たんぱく質」が大切である理由】

とはいえ、では食事の際にはどのような意識をすればいいか疑問かと思います。

基本的にはバランスが大事なのですが、日本人は特に緑黄色野菜が足りていません。それから、カロリー過多になりがちですね。

そして大事なのは、たんぱく質を意識的に摂取することかと思います。若々しくいるために「不足させてはいけない栄養素」というのはたんぱく質です。ビタミンを含んだ食材は多くあまり不足することがありませんが、たんぱく質は意識的にとらないとどちらかといえば不足しがちな栄養素です。

私たちの筋肉・臓器・肌は、水分とたんぱく質でできています。ですので、不足してしまうと体は良好な状態が保てなくなります。

なかでもたんぱく質というのは炭水化物・脂質と違って、「体に貯蓄できない、食べ溜めできない」栄養素です。

糖質は糖が脂肪に変わり、皮下脂肪として蓄えられます。また脂肪は、分解されて「糖新生」という現象を起こし、エネルギー源として使われます。このように、糖と脂肪は体に蓄積することができ、必要な時に使用できるのです。

【爪が割れ、皮膚がガサガサになってしまう】

ただ、たんぱく質は蓄積できないうえに、常に分解され続けている栄養素です。不足してしまうと、爪が割れたり皮膚がガサガサになったりする場合もあります。ですので、常に体内に取り入れてあげることが重要です。

では何から摂るのが良いのかというと、食事です。たんぱく質は自分の体重1kg当たり1g程度を毎日摂るのが良いとされています。私の場合は70kgですので70gほど必要です。

ただ、体重分のたんぱく質を摂るのは中々大変ですし、年を重ねると糖質・脂質を多く摂りすぎてしまい、かなり難しいです。

そういう時は、プロテインドリンクなどで補ってあげるのが良いでしょう。基本的にはお肉やお魚から摂り、足りなかったり難しかったりしたら、プロテインを摂っていきましょう。

皮膚も体の一部です。体の中の健康に気をつけることで、皮膚の状態も自然と良くなります。

【「たんぱく質を摂りすぎると腎臓病になる」はデマ】

よく、たんぱく質の摂りすぎと、腎臓病との関連を指摘する人もいらっしゃいます。でも常識的な範囲内でプロテインを摂る分には全く問題がありません。たんぱく質が代謝されると、老廃物として尿素窒素が出ます。

腎機能が悪いとその尿素窒素が排出されずに血液中の尿素窒素の量が増えてしまうという事実がありますが、たんぱく質を摂りすぎて腎機能障害になるというのは全くのデマです。

もちろん1日に1kgほどのたんぱく質だけを摂っていたらそれは分からないですが、普通の食事をしている分には問題ありません。

食事によって病気になるというのは確かにあります。例えば脂っぽいものばかり食べていると高脂血症になるとか、カロリーをいっぱい摂りすぎると糖尿病になるというのがありますが、腎臓病と食事との関連というのはあまり指摘されていないんですね。

基本的に年を経ると小食になる方が多いから、たんぱく質を意識した食事をする。そして足りないようならプロテインを飲むということをおすすめしたいと思います。

BAT
「より良い明日」の実現に向けて、スモークレスな世界の構築を共に
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏対FRBの構図、市場が波乱要素として警戒

ワールド

トランプ氏、プーチン氏と近く協議と表明 ロシア「迅

ワールド

関税下げの米大統領令署名、重要な一歩として歓迎=加

ワールド

シェフチョビッチ欧州委員、来週インド訪問 自由貿易
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:豪ワーホリ残酷物語
特集:豪ワーホリ残酷物語
2025年9月 9日号(9/ 2発売)

円安の日本から「出稼ぎ」に行く時代──オーストラリアで搾取される若者たちの実態は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...地球への衝突確率は? 監視と対策は十分か?
  • 2
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニングをする女性、異変を感じ、背後に「見えたモノ」にSNS震撼
  • 3
    「よく眠る人が長生き」は本当なのか?...「睡眠障害」でも健康長寿な「100歳超えの人々」の秘密
  • 4
    「生きられない」と生後数日で手放された2本脚のダ…
  • 5
    「あのホラー映画が現実に...」カヤック中の男性に接…
  • 6
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「農産物の輸出額」が多い「…
  • 8
    世論が望まぬ「石破おろし」で盛り上がる自民党...次…
  • 9
    SNSで拡散されたトランプ死亡説、本人は完全否定する…
  • 10
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 1
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が下がった「意外な理由」
  • 2
    1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動【note限定公開記事】
  • 3
    50歳を過ぎても運動を続けるためには?...「動ける体」をつくる4つの食事ポイント
  • 4
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 5
    豊かさに溺れ、非生産的で野心のない国へ...「世界が…
  • 6
    25年以内に「がん」を上回る死因に...「スーパーバグ…
  • 7
    【動画あり】9月初旬に複数の小惑星が地球に接近...…
  • 8
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 9
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 10
    首を制する者が、筋トレを制す...見た目もパフォーマ…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中